Q&Aのタイトル (学 童 編)


「概要」

 小学校時代で永久歯に生え替わっていきます。歯は生えたては未成熟ですので、親の仕上げ磨きは続けてほしいものです。また、歯並びの変化にも気を配りましょう。



Q.永久歯が生えるのは、いつ?

A.小学校に入学する前後になると、永久歯が生え始めます。
 最初に生える永久歯は、下顎の中切歯か乳歯列の奥に生えてくる第一大臼歯です。このような乳歯と永久歯が混在している歯並びを「混合歯列」といいます。小学生時代は混合歯列で、歯の生え代わりが続きます。
 乳歯から永久歯への交換は、最初に生えた中切歯と第一大臼歯によって挟まれた部分の乳歯が生え代わっていきます。生え代わるからといって、むし歯を放っておくと、歯がかけたり、抜かなければならなくなったりします。
 奥の第一大臼歯は、乳歯の抜けた方向へ動きますので、後から生える永久歯の場所がなくなってしまいます。永久歯がきちんと並ぶためには、乳歯が生え代わりの時期まで、しっかりとその場所を確保しておくことが大切です。
 永久歯は、親知らずと呼ばれる第三大臼歯を含めて32本あります。12歳頃に第二大臼歯が生え、親知らずを除いた28本の永久歯列が完成します。
 次の図は、日本小児歯科学会が調査した歯の生える平均的な年齢を示しています。子供によって歯の生える年齢には個人差がありますので、あくまでも目安と考えてください。
 ただ、歯の生え代わりの時期には、歯科的にいろいろな問題が起こることがあり、なかなか歯が生えてこないことがあります。そのような時には、歯科医に相談しましょう。
 このような歯の生え代わりを通じて、歯並びだけではなく、顎の骨も成長し、それにともなって顔や頭の部分が成長し、子供から大人の口・顔になっていきます。

歯の名前と生える時期

●歯の名前と生える時期(日本小児歯科学会)
  


Q、はえたばかりの永久歯は、むし歯になりやすいの? 
 
A、出てきたばかりの永久歯の表面は石灰化が不十分でとても弱く、しっかりしてくるまでの約2年間は無防備に近い状態にあります。この時期に80%の人がむし歯になってしまうというデータもあります。ですからこの2年間は、お母さんの仕上げ磨きが大切になってくるのです。つまり、小学校に通う時期はどこかの永久歯が生え替わっていくので、毎日とはいわないまでも定期的な仕上げ磨きが必要です。この時期に歯垢をとることは、唾液や食物中のカルシウムやフッ素を取り入れやすくして、歯質を強化するためなのです。
 


Q、歯を削らずにすむ治療法はないか?
 
A、残念ながら、最新の歯科診療技術をもっても、あきらかにむし歯になってしまったら削らずにすむ治療法はありません。治療法ではありませんが、予防填塞(シーラント)という、子どもの臼歯の予防のために溝にシールをする処置は、まったく歯を削らない方法で行います。
 しかし、C1以上のむし歯の治療では、どこかの階段で必ず歯を削る必要が出てきます。接着歯科治療は、ほかの方法よりは歯を削りませんが、それでも必要部分だけは削らざるを得ません。
 



Q、シーラント(予防填塞)とは? 

 
A、主に6才頃に萌出する第1大臼歯に、はえたら速やかにかみ合わせの細かい溝に、フッ素配合の樹脂を埋める処置です。歯は、はえ立ての頃はまだ石灰化が不十分で、しかも奥歯はブラッシングが難しく、特にむし歯になりやすかったのです。細かい溝に白くわずかに埋めるので、全く気になりません。



Q、もとにもどるむし歯があると聞いたが? 

 
A、例えば、歯の表面が白くなっている(白斑)場合、エナメル質の表面より下のカルシウムなどの無機質が溶け出して、むし歯になりかけています。しかし、この状態はフッ化物の塗布などで元に戻る可能性があり、これを再石灰化と呼びます。かかりつけ歯科医に定期健診を受けていて何とか見つかるレベルです。
 
お子さんのむし歯のなりなすさと予防方法とのかねあいで間隔がかわりますが、ぜひ、定期健診をお受けになってください。むし歯のなりやすさは、歯磨きのがんばりだけでなく、おやつや甘い飲み物のだらだら食いなどに左右されます。フッ化物(むし歯予防のためのフッ素のこと)による予防処置も定期的に行う必要があります。


Q、永久歯が出てくるのが遅いので、心配なのだが? 
 
A、永久歯が出てくるのが早い遅いにあまりこだわる必要はありません。むしろ、遅く生えてくる永久歯のほうが表面がしっかりして出てくるという考え方もあり、遅くなることを心配する必要はありません。永久歯が出てくる時期には個人差もあるので、他の子と比べることもありません。
 


Q、前の方に乳歯が残っているのに永久歯がはえてきたが、どうしたらよいか?
 
A、永久歯は乳歯の根を少しずつ吸収しながら、乳歯に導かれてはえてきます。そのため、乳歯は永久歯がはえすすむにつれて、自然に抜け落ちるので、ぐらついているのだったら自分で動かしたり、親が抜いてあげてもかまいません。時にはなんらかの理由で、うまく根が吸収されず残っている場合があります。このような場合は、永久歯の邪魔になり歯ならびなどに影響が出ることがあるので、なるべく早く歯科医院で取り除いてもらう必要があります。

乳歯の歯列の図永久歯の歯列の図  
 
 
 
Q、歯が傾いてでてきたが、歯ならびが悪くなるのか?
 
A、ふつう永久歯の前歯がはえてくるときは、やや傾いて歯と歯の間にすき間のあるようにはえてきます。しかし、歯と歯の間に余分な歯があったり、指しゃぶりなどのために、著しく傾いてはえてきたり、歯と歯の間にスキ間ができてくる場合もあるので、一度歯科医に相談をしてみてください。
 


Q、前歯のけがは、どんなものか?
 
A、 まず、原因ですが、乳歯・永久歯ともに転倒がもっとも多く、次いで衝突、転落と続きます。1〜2歳児では転落が多く、3歳からは衝突が多くなります。永久歯では、衝突や打撲の割合が増加します。なお、ラッパなどをくわえての転倒は、低年齢の乳歯の外傷の原因として特徴的です。
 歯の状態ですが、乳歯では、ぐらつく程度の動揺がもっとも多くなっています。また、動揺だけでなく、歯が骨の中にめり込む陥入、歯がとび出す挺出、位置がずれる転位などの不完全脱臼、歯が抜け落ちてしまう完全脱臼を合わせた脱臼は、乳歯外傷の65%になっています。
 次に歯の歯肉から出ている部分が割れる歯冠破折、根の部分が折れる歯根破折などの破折、外傷が原因となって、歯冠の色が暗く変色することもあります。永久歯では破折、中でも歯冠破折の割合が多くを占めています。


Q.前歯をぶつけたら、どうしたらいいの?

A.歯が少しぐらつく亜脱臼の場合、動揺の程度が軽ければ、口の中の清潔を保ち、柔らかい食べ物を食べ、安静にするだけでなおります。動揺が大きい場合や不完全脱臼などの場合、歯科医院で歯の元の位置にもどし周囲の無事な歯と固定することで、食事も可能となり数週間でなおります。
 歯が抜け落ちる完全脱臼の場合、早く元の位置に戻すと、歯を長く使えます。大事なことは、抜けた歯を乾燥させないことと、根の部分をさわらないことです。汚れても、軽く水で流すだけにしてください。すぐ歯科医院へ行ける時は、ラップや濡れガーゼなどに包み、また、少し時間がかかりそうな時は生理的食塩水や牛乳に浸けて持参してください。こうしておけば、数時間は大丈夫といわれています。歯科医院で元の位置にもどし、周囲の無事な歯と固定することで、抜けた歯を保存できることが多いようです。早ければ早いほど、歯の保存状態がよいほど、元通りに直る可能性が高くなります。しかし、遅くなっても普通とは少し違う直り方で、歯が使えることもありますので、あきらめずにご相談ください。
 歯冠破折(歯が欠ける)の場合も、折れた破片はなるべく歯科医院へ持っていきましょう。歯の神経(歯随)に破片がおよんでいれば、神経の保護や治療を行い、歯の破片や人工材料で歯の形を元に戻します。神経が出ていなければ、元の位置に破片を接着することができます。
 歯根破折(歯が根の位置で折れる)では接着可能であればそれをした上で、脱臼を伴うことが多いため、無事な歯と固定を行い、必要に応じ神経の治療を行います。歯の固定期間は、けがの程度により3〜6週間です。
 なお、何カ月もたってから変色、歯肉から膿が出る、腫れる、根がとけるなど、外傷の影響が出ることがありますから、少なくとも1年間は歯科医院で定期的にチェックを受けて下さい。
 

Q、子供には何を飲ませたらいいか?
 
A、暑い夏がすぎると、幼児、小児のう蝕が急に増加することがあります。原因を調べてみますと、多くの場合、糖分を含む水分を大量に摂取していることにあります。人は、必ず毎日、必要量の水分摂取は欠かせません。とくに幼児、小児は、水分量が不足しますと、発熱したり、ぐったりしてしまい、うわごとまでいうような場合もあります。
 といって、親が水分を与えようとして、子供の要求に応じて、水やお茶(緑茶、麦茶、ウーロン茶)以外の水分をいつも与えることによって、う蝕をつくってしまうケースがけっこうあります。「水やお茶はあまり飲まないものですから・・・・」といって、ついつい乳児のときから、乳児向けイオン、果汁飲料を与え続けてしまい、夏になって急に量、回数が増えてしまっているというお母さん、お子さんの歯は大丈夫ですか?
乳幼児の時から、白湯や水を与えて、それに慣れ親しんでいれば、急に水分量が増加しても、問題はおきません。入れ替えのいらない手軽さからボトルが直接哺乳瓶として使えるイオン飲料、果汁飲料などを安易に使いはじめ、「ほ乳瓶う蝕」をつくってしまうというケースが後をたちません。便利なものを利用するときには、それを利用するデメリットも、必ずあることを知っておいていただきたいと思います。
 発熱や下痢のときなどの水分補給のために、小児科医の要望により開発されたイオン飲料ですが、乳幼児のときから飲んできた子が、1歳すぎに乳歯がう蝕だらけになったことを、歯科界から指摘され、乳幼児向けに発売されているイオン飲料や果汁飲料に、メーカーが「むし歯の原因となることがあります」という表示をしています。
 酸性度の強い飲み物を(酸性の強い飲み物には、必ず糖分が多く含まれています)寝る前に飲ませていると、歯の表面が白濁しはじめ、それでも与え続けると、硬いエナメル質に穴があいてしまい、立派なう蝕をつくります。しかも、飲料水でできたう蝕は、特徴があります。人間が生まれて最初に摂取するのが母乳(ミルク)、その次に与える水分として、親がいかに上手に、白湯を与え続けられるかが、低年齢児のう蝕予防につながる、といっても過言でないでしょう。喉がかわいたら、まず大人が率先してふつうの「水」を飲みましょう。


たかはし歯科医院


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