森の奥深く、松の木の枝でアカリスは深刻な表情でアオリスに相談しました。
「アオリスくん、僕、人間と仲良くなりたいよ。 どうして人間は僕たちを恐がって、僕たちを見かけただけで逃げてしまうんだろう。」
「そりゃ、噛むからでしょ。」
「そんなこと言ったって、リスなんだから噛むのは当然じゃないか。」
「でもだめなの。」
うつむくアカリスを見て、アオリスはかわいそうになりました。
「分かったよ。今度僕が里で人間に噛みつくから、そしたら君が僕を倒して人間を助ければいいよ。 人間はきっと君をいいリスだと思って仲良くしてくれるさ。」
「でも、それじゃあ君の立場が……。」
「いいんだ。友達だろ。」
「君ってやつは……、うぅっ。」
「バカだなぁ、泣くやつがあるか。」
翌日ふたりが里へおりて行くと、神社の境内で数人の子供が石段に座り、ゲームボーイで遊んでいました。
「ようよう、坊やたち、誰にことわってここで遊んでるんじゃい。」
さっそくアオリスが子供たちにインネンをつけてからみます。
「うっせー、くそリス。」
「こいつ、マジむかつくぅ。」
「おめぇ、リスのくせにうぜーんだよ。」
ちょうどカルシウムの不足していた子供たちは突如キレ、アオリスのしっぽをつかんで振り回し、さらに殴る蹴るの暴行を加えます。
「待てぇ!」
木陰でその様子を見ていたアカリスは絶えきれずに飛び出しました。
「僕の親友になんてことをするんだ。正義のキバの威力を知れっ!」
アカリスは子供たちの体中をスッパスッパと切りつけました。
「うぇーん、リスにやられた〜。」
「やっぱり、あいつらは悪いやつだ〜。」
子供たちは泣きながら逃げて行きました。
「アオリスくん、大丈夫かい。」
「ああ、僕なら平気さ。ほんのかすり傷だ。それより、君を人間と仲良くさせてやれなくて済まない。」
「いいんだ、もう人間なんてこりごりだよ。僕には君という、誰よりもすばらしい友達がいるじゃないか。人間と仲良くしたいなんてつまらないことを言った僕を許してくれ、……うぅっ。」
「バカだなぁ、泣くやつがあるか。」
それからもふたりは仲良く暮らしましたとさ。