飼いリスの肥満にお困りの方の相談を時たま受けることがあります。
リスの体全体がでっちりして、もぐらの如くずんぐりむっくりしてしまうそうです。
リスの肥満の原因としてどんなことが考えられるでしょうか。

食い過ぎ
運動不足

これだと、人間の肥満と同じですね。
もちろん餌を食わせなければリスはやせるし、自由に運動できる環境を整えてやれば、ある程度、肥満は防げるかも知れません。

ただ、私はここで、ふとあることに着目しました。
自然環境にあっては滅多なことではありえないリスの肥満が、飼育環境ではかく も簡単に発生してしまうのには、飼育環境のリスには太らなくてはならない、リ スなりの事情があるのではないかと。
そこで私がひらめいたのが、肥満と貯食との関係。

リスは通常、自分の巣の周りや、巣の中に、食い物を隠しておく場所をいくつか 用意しており、餌を手に入れると、そのいずれかに分散して貯食しておく習性が あることはみなさんもご存じのことだと思います。
食い物がなくなる冬に備えて。
その量は半端な量ではありません。
リスは自分の集めた食料の全体量をはっきりとは把握していないらしく、手に入 れられる限りの食いものはすべてほお袋に詰め込んで、自分の隠し場所に運び込 んでしまいます。
ある量に到達すれば、これで十分ということにはなりません。
しかし、飼い主の中には、そのリスの習性を迷惑がり、せっかくリスが部屋の隅 や、巣箱の中に蓄えた餌を捨ててしまう人がいます。
するとリスはどうなるか。
集めても集めても、気が付くと餌は消えてしまう。
でも食料のなくなる冬は確実に近づいている。
不安でしかたがない。

もちろん飼い主にしてみれば、冬でも餌をやるから、貯食の必要はないはずだ、 と考えるわけですが、リスにはそんなことは分かりません。
リスの本能はリスに、冬には食料がなくなる、と教えます。
そこで焦ったリスは、本来自分の近辺に集めるべき餌を、自分の内部に、つまり 脂肪として蓄積しようと考えます。
食い物があるうちに、食えるだけ食っておこうという、食い溜めの論理です。
そして肥満リスができあがります。

やがて肥満リスにも冬が訪れます。
でも、人間の家屋内の冬は、暖房が効いていて、大して寒くもならず、しかも夏 と同じだけの、ふんだんな食料を与えられる。
脂肪を消費する機会がまったくないまま春を迎えます。
そしてリスは永遠にデブのまま。

以上が、私が考えた飼いリスが太る理由です。
リスに貯食させることが、リスの健康維持に、とっても重要なことに思えて書い てみました。
もちろんあくまでも私個人の仮説にしか過ぎません。
みなさんの家のリスは太ったりしていませんか。
十分に貯食できる環境を作ってあげていますか。