ヤドクガエルに興味をもち、ビバリウムを作り、飼育してきた。ビバリウムは現地の自然を想像して作ったもので、あくまで想像にすぎない。多少は雑誌やインターネットで探し風景をまねしたものだ。 長い間、飼育していると、やはり現地で実際に見たくなるものだろう。
私の好きなヤドクガエルは小型樹上種とPumilo(イチゴヤドクガエル)だ。特にイチゴヤドクガエルはエッグフィーダーと呼ばれ、メスがオタマジャクシに自分の卵をエサとして与えて、カエルになるまで世話をする。以前、我が家でもPumilioを飼育して、数匹上陸させた、経験がある。しかし、上陸後、6ヶ月以内にだめにしてしまった。原因もわからなかったので、あきらめたが、また挑戦したくなった。今度は成功させたいが、そのためには現地の気候、環境が知りたい。
現地で見る機会があるのは、パナマかコスタリカになる。パナマには数種類のカラーバリエーションがありとても興味深い。島ごとに体の色に差があり、とても同じカエルとは思えないものがいる。しかし、調べていくと、国内の移動が多く、短期間ですべてを回ることはできないだろうし、生息地までたどり着いても、必ず見られるものでもないだろう。コスタリカにはイチゴヤドクガエルは1種、ブルージーンと呼ばれているものがいる。分類は違うが、グラヌリフェリスという種類もいる。
コスタリカは自然やエコと言う言葉で国家が力をいれている。自然保護区が多く、ヤドクガエルだけでなく、鳥類、爬虫類がたくさん見られる。“ヤドクガエルだけでなく”という言葉は適当でなく、ほとんどの人は鳥類の観察だと思われる。わざわざ、カエルだけを見に行く人はいないかもしれない。国が力を入れているだけあって、未開のジャングルといっても、道があり、ガイドも多い。ロッジごとにガイドがいて、簡単に、頼むことができる。そのため、インターネット上にも多くの情報があり、ヤドクガエルの生息地も大体はわかるようになっていた。
このようなことで、行き先はコスタリカに決まった。ところでコスタリカという国名をほとんどの人は聞いたことはあるが、じゃあ場所は?とか、どんなところ?と言った感じだろう。近隣諸国はニカラグア、パナマ、ホンジュラス、コロンビア、などなど。なんか物騒な響きだ。麻薬、ゲリラを想像してう。中南米の中でもコスタリカはかなり安全らしい。とはいえ、近隣に比べて、安全というだけで、どんな国でも事件、事故は存在する。
まず、旅行の計画だが、団体行動が苦手な私は当然、一人旅。だいたいコスタリカ行きのツアーは見たことがない。まして、目的がカエルの撮影なんてあるわけがない。格安チケットと扱うサイトで、検索すればわかるが、直行便はなく、アメリカ経由となる。乗り継ぎをしなければならない。また、帰りはコスタリカを出国後、アメリカで1泊する必要がある。航空券は12万から15万円、それにサーチャージが4万円。これにはまいった。
インターネットやGoogle Earthを駆使して、調べつくす。ロッジには手当たり次第にメールを送り、疑問点を解消していった。ロッジの周りでヤドクガエルを見られるかどうか?電気はあるか?いろいろある。送ったメールはすべて返信があり丁寧に答えてもらった。やはり、観光がメインの国だということがわかる。せっかく出かけるのだから、ヤドクガエルだけは絶対に見たい。100%見られるところに行きたい。そんな場所を探していたら、Sarapiqui川の周辺のロッジだと、マダラヤドクガエルとイチゴヤドクガエルが100%見られると言う返事がほとんどだった。それ以外にもトルツゲロなども行きたいが、国内の移動時間がもったいないので少しでも同じ場所でじっくりカエルを観察すると決めて、ほかの場所は我慢して次回にすることにした。 移動ばかりであわただしい旅は避けたい。
この地域に絞って行く事にする。ワイルドな場所、小奇麗な場所などを選び3件に絞った。ここで問題があることがわかった。コスタリカ到着は夜10時頃。となると空港周辺で1泊しなければならない。やはりコスタリカは遠いと実感する。ネットでホテルを探したところ、日本人が経営する旅行会社をみつけた。サンホセの中心地のホテルの中にある。早速メールをだして、到着後のホテルとホテルまでの車の手配ができるか聞いてみた。すぐに返事があり手配をしてくれることになった。私の予定を聞かれたので、宿泊予定のロッジをいうと、似たような場所で面白くないから、変えてみては?ということで、1件はワイルドなロッジにかえてくれた。 ここはRaraAvisと言う場所であとで詳しく書くことにする。
驚いたことに、私の予定を組んでくれた上に、ロッジ間の車の手配までしてくれた。これで、ロッジなどの支払いを個々にしなくてもよくなったことは大きい。ロッジの金額はネットで調べた金額と同じで、旅行会社がマージンを取ることもなかった。とても良心的で助かった。
これであとは、チケットを買うだけとなった。コンチネンタル航空を選んだわけだが、アメリカンもほとんど金額は同じだったが、コンチネンタルはヒューストン経由、アメリカンはダラス経由、同じテキサスだが、何が違うかと言うと、乗り継ぎの際、手荷物を取るかどうかで、かなり変わってくる。コンチネンタルは成田で預け、サンホセで受け取ることができる。ヒューストンは手ぶらで動ける。無事にサンホセまで荷物が行けばいいが、サンノゼ(SanJoseおなじスペル)に行ったりしないか、心配はあるが、考えてもしょうがない。
ヒューストンまで約12時間、乗り継ぎに4時間まつことになり、コスタリカまで3時間。乗り継ぎに4時間は長いと思われたが、初めての海外での乗り継ぎは緊張するし、成田からの長旅の疲れを取るにはちょうどいいと考えた。
もう一つしなければならないことがあった。コスタリカの復路は来たときと同じ、テキサス、ヒューストンだが、来るときはそのまま乗り継ぎだった。しかし、帰りはヒューストンで1泊しなければならない。インターネットで空港の近くで手ごろなホテルを探す。だいたい、$70−80が目安だろうか。ネットで見つけて、予約をした。シャトルサービスがあるところが条件だった。ただ、寝るだけで、翌朝、早く出てしまうので、特別なサービスもいらない。
これで現地の予約、支払い、チケットの手配、すべてが終わったので、後は行くだけとなった。行くだけと言っても、実はこれからが大変なのだ。まず現地の言葉はスペイン語で、英語はあまり通じないらしい。しかし、ロッジには英語が話せるガイドがいるので安心だと聞いていた。しかし、せっかく行くのだからすこしでもスペイン語は話せたほうがいいだろうと考え、実は1年前から、ラジオでスペイン語は勉強していた。ノートにたくさん書き込んで準備した。たとえば、“赤い小さなカエルを探しています”とか、歩いて何時間かかりますか?“とか。また、旅行と言っても通常の旅とは違い、冒険に近い感覚だ。5月のコスタリカは雨季であるうえに、山間部奥地にも入る。レインウェアーや登山靴が必要になるので、登山用品を扱う店で買うことになる。 あまり旅行にお金をかけたくないが、簡単に行ける場所ではないし、体調管理、大げさにいえば、ジャングルでは命にかかわる問題もある。この部分ではしっかり準備しておきたい。
今回の旅は最低でも現地で7日間は撮影したかったので、そこから計算すると、コスタリカ着、1泊、帰路はヒューストンで1泊、日付変更線の関係で成田まで1日。合計11日の旅となる。本当はもう2日滞在したかったが、冒険家でなく“普通”のサラリーマンなので、早めの夏休みと祭日、週末と合わせて、これがいっぱいだった。