白井晟一展について

   展覧会詳細 東京造形大学 / 群馬県立近代美術館 / 汐留ミュージアム / 京都工芸繊維大学


  東京造形大学附属美術館  「SIRAI,いま 白井晟一の造形」
2010年 7月5日(月)〜30日(金)
展示内容●

実行委員●
主としてデザインと書及び原爆堂模型の製作展示

諏訪敦彦
沢 良子
志邨匠子
    ※展覧会に先立ってシンポジウムが開かれます 
シンポジウム● 白井晟一が生きた時代
T 同時代を語る   長谷川堯、平敬一、村井修、白井c磨
U 白井建築をたどって  中谷礼仁、松隈洋、越後島研一
   2010年6月19日(土) 13:00〜17:00
    桑沢ビルP1ホール (042-637-8111)


  群馬県立近代美術館   「白井晟一 精神と空間」 
2010年 9月11日(土)〜11月3日(水)
展示内容● 図面 100点余り
建築写真 100点余り
原爆堂、善照寺等模型 5点
装丁本、スケッチ等と「書」 30点余り

「書」は虚白庵で保存され、白井晟一が裏打ちしたものと0印の付けられたものに限定し、巻物、書帖も何点か展示を予定しています。
全て虚白庵で白井晟一のアーカイブとして保存されてきたものです。
破壊された虚白庵の空間を構成していた石像2点も、特別展示されることになりました。
実行委員●





布野 修司
松山 巌
松隈 洋
中谷 礼仁
宇野 求
白井 c磨
  (順不同)
担当学芸員● 谷内 克聡
プロデュース● アート・プランニング・レイ
シンポジウム●
実行委員によるシンポジウム
10月9日(土) 14:00〜16:30
         布野 修司  (滋賀大学教授)
         松山  巌  (作家)
         宇野  求  (理科大学教授)
         松隈  洋  (京都工芸繊維大学教授) 
         中谷 礼仁  (歴史工学家 早稲田大学)
                              順不同
磯崎新氏の講演は中止になりました


  パナソニック電工汐留ミュージアム 「白井晟一 精神と空間」 
2011年 1月8日(土)〜3月27日(日)
10:00〜18:00
1月10日・3月21日を除き月曜休館

パナソニック汐留ミュージアム ⇒ニュースリリース
港区東新橋1−5−1 パナソニック電工ビル4F
 展示内容● 群馬県立近代美術館に引き続き、設計原図面、模型、建築写真、スケッチ、装丁本、「書」、及び美術品が展示されます。
以上に加えて白井晟一の建築作品及び解体の前年の「虚白庵」の春の庭のビデオが放映されます。

また、汐留ミュージアムのホームページで白井晟一エセーの朗読を聴くことができます。(朗読:原きよさん)


  分節展示
汐留ミュージアムでの「白井晟一展」は、「塔」「住」「共」「祈」「幻」「原爆堂」といった見出しで分節し展示されます。そのうちのいくつかの解説をご紹介します。

「住」
「住居は一生の間にたびたびつくれない。長くもない生涯を、風雨や地震に耐え、見るからにがっしりした家で暮らしたいとは誰しも思うことではないか。ロウコストは建築のエレメントだが、それも人間の生活や精神を引き上げるのを妨げるロウコストではこまるのだ。」(「試作小住宅」より)
初期の木造住宅から「呉羽の舎」を経て「虚白庵」「雲伴居」に至るまで白井晟一の住宅作品は、かれの建築家としての歴史の全域に亘っており、ベートーヴェンのピアノソナタのように白井の建築的意想の通史を形成している。
 
「幻」
「光音劇場」は唯一遺された白井の肉筆と思われる図面である。「雄勝町役場」の力強い造形を示すパースは、建物は建設されたが設計者の意想は幻に終わった、とはいえかれは執拗に横手厚生病院のファサードにその主要なデザインを実現する。しかしそれも解体され存在しない。「半僧房計画」はいわば「原爆堂」の和式ヴァージョンである。「三里塚農場計画」や「野田ウィークエンドロッジ計画」はれぞれの時代の状況の中でとらえることによってその実像が浮かび上がってくる。これら幻の建築と、一方では白井の設計した空間が歯止めなく解体され消失している。それらは図面による「写し」や再現の不可能なものが多い。今また親和銀行大波止支店の建築が消えようとしている。

「祈」
「善照寺」は浅草にある寺院の本堂で、鉄筋コンクリートの伽藍の最初のものとしても、虚飾を徹底して退けた明晰な伽藍の造形としても画期的なものだった。「サンタ・キアラ館」は茨城キリスト教学園短期大学の講堂をかねたチャペルをもつ学舎である。「親和銀行大波止支店」はその名のとおり銀行建築だが、被爆の町への思いがモチーフになっている。バンキングホールは祈りの会堂と言ったほうが相応しい空間で、ファサードに水を湛えた池を設けているのもそのためである。
聖なる空間と評されることもあった白井晟一の建築空間は、人間の内面的な問題と関わる意志をもった表象であることに特質があり、祈りの姿勢で貫かれている。
 
「原爆堂」
丸木・赤松画伯の「原爆の図」の美術館の新聞記事をきっかけとして、施主も敷地も前提されていないところで取り組まれた計画案である。ヒロシマ・ナガサキに対して建築家として表象する責任と義務へのつよい意志から生まれており、そのことも含めて1955年の発表時には建築界では衝撃をもって受け止められた。その際の短いコメントから、被爆の悲劇を正面から受け止めようとする過程で、核を保持した文明の悲劇そのものと対峙する意想へと展開したプロジェクトだったことが判る。実現していない計画案であるにもかかわらず、白井の建築家としての姿勢の最も基本を示すものであり、核の時代へのメッセージとして、今日的なアクチュアリティーを増していると言えよう。
 
「塔」
宙空を刺すように屹立する塔は、垂直上昇の理念的な形象として語られることが多いが、白井晟一の塔は、都市の境域に根をおろした道祖神的な性格をつよく示している。それは都市的な調和や集合への参加を拒絶し、都市を相対化することに存在意味をもち、都市の道標として結界を形成する。つけられた名前「懐霄館」「ノアビル」からもその意図をさぐることができる。
なお、親和銀行本店一期の建築は「原爆堂計画」の造形モチーフを共有し、垂直性は強調されていないが、「塔」の表象としての性格をつよくもっていると言えよう。

汐留ミュージアムの展示では、個々の建築作品についてのキャプションを充実させることが意図されており、会場構成に参加した吉野さんが執筆中です。

 イベント● 建築見学ツアー 3月4日(金) 定員20名
  白井晟一の代表作を中心としたツアーです。
  問い合わせ:トラベルプラン

記念シンポジウム 2月20日(日) 13:30〜17:30 定員180名
(定員に達したため、予約を締め切りました)

「空隙としての白井晟一 20世紀における建築家白井晟一の位置づけ」

  パネラー:岡崎乾二郎(美術家、批評家、近畿大学国際人文科学研究所教授)
        沢良子(近代建築史、東京造形大学教授)
        白井c磨(建築家、白井晟一研究所代表)
        白井秀和(福井大学大学院工学研究科教授)
        田中純(表象文化論、東京大学大学院総合文化研究科教授)
        中谷礼仁(歴史工学、建築史家、早稲田大学理工学術院創造理工学部准教授)
                                          (五十音順)
  進行:中谷礼仁
  
問い合わせ:ハローダイヤル 03-5777-8600

担当学芸員によるギャラリートーク 1月29日(土)・2月25日(金)

 担当学芸員● 大村理恵子

 協力●

 企画協力●

後援●
白井晟一研究所 群馬県立近代美術館

(株)アートプランニングレイ 白井晟一展実行委員会

社団法人日本建築学会
社団法人日本建築家協会
港区教育委員会

  京都工芸繊維大学工芸資料館 「白井晟一 精神と空間」

2011年 5月23日(月)〜8月11日(木)
 10:00−17:00  日曜休日休館

 〒606-8585 京都市左京区松ヶ崎橋上町
 tel 075-724-7924  fax 075-724-7920


 群馬県立近大美術館、パナソニック汐留ミュージアムで開催された「白井晟一展・精神と空間」が京都工芸繊維大学に巡回します。白井晟一展が歴史の大きな節目のさなかで開かれていることに、不思議な巡り合わせを感ぜざるをえません。
 白井晟一は戦前京都大学に隣接していた京都工芸繊維大学の前身、京都高等工芸学校を昭和3年に卒業しているので、母校での初めての展覧会ということになります。
 川添登氏によると白井晟一は学生時代「エラン・ヴィタール」という劇団に所属していたそうですが、昨年工芸繊維大学で展覧会の開かれた本野清吾はその劇団の指導もしていました。本野展ではかれがバウハウスとも通じる、建築的な技術や意匠に限定されない様々な文化的表象の中で、建築の教育を考えていたことが分かりましたが、白井晟一の学生時代の環境としても示唆に富むものでした。

展示内容● 群馬と汐留の白井展で展示された、原爆堂、善照寺等5点の模型は松隈、米田両氏の指導で京都工芸繊維大学の若者たちが作り上げたもので、いわば里帰りの展示ということになります。
他に、図面と写真、それに書と装丁本、スケッチも展示されることになりました。


イベント● 記念シンポジウム「白井晟一・現代との対話」
7月2 日( 土)  14:00−17:10
パネリスト   松山 巖 (作家 評論家)
          白井c磨 (建築家 白井晟一研究所主宰)
          堀部安嗣     (建築家 京都造形大学大学院教授)
          米田 明 (建築家 京都工芸繊維大学大学院准教授)
MC       松隈 洋 (京都工芸繊維大学美術工芸資料館教授)

書の展示について● 「書」は5月22日から6月7日までの間下記の画廊で特別展示されます。
「正観堂」 京都市東山区新門前通花見小路西入一筋目上ル西之町211−3
     TEL 075−533−4110 (水曜休廊)


▲このページの先頭へ


  ⇒関連書籍情報
  ⇒「柊心居にて/白井晟一展についての覚書」


   下記でも最新情報を掲載しています。
   <白井晟一研究所Weblog>  http://shiraiseiichi.jugem.jp/
   <白井c磨(白井晟一研究所) on Twitter>  http://twitter.com/shiraiikuma

トップページへ
白井晟一研究所 All Rights Reserved.