「発心の道場」@
1番霊山寺〜11番藤井寺



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2011年
5月24日〜27日
徳島県(阿波の国)
「発心の道場」@
四国お遍路さん
日誌目次
5月24日 (火) 20:00 横浜(自宅)
21:10 東京駅八重洲南口
(JR関東夜行バス)
5月25日 (水)
6:41 JR徳島駅 (7:06発 高徳線 板野行)
7:38 JR坂東駅
1番 霊山寺
6番 安楽寺 088-694-2046
(宿泊)1泊2食6,500円 17時までに入り、18時全員で夕食。
5月26日 (木) 7:00
11番 藤井寺
JR鴨島駅 (13:58発 徳島線 徳島行)
22:10 JR徳島駅
(KOTO夜行バス)
5月27日 (金)
6:20 横浜駅
6:30 横浜(自宅)
やはり始まりくらい晴天がいいと思って天気予報とにらめっこ。5/25から2日間だけ何とか天気が持ちそうだったので、この日程に決定。

5/24出発当日に夜行バスを予約し、ついでに5/25の宿泊(6番安楽寺)と、帰りの夜行バスまで一気に予約を入れた。

さすがにこの時期に旅行する人も少なく、お遍路さんのメインシーズン(3月〜5月)も終盤。夜行バスも7割方の混み方で、ゆっくり休めた。

途中高速道路の工事渋滞に巻き込まれ、予定より5分遅れで徳島駅前に到着。早速JR高徳線に乗り換えて坂東駅へ。
<今回の旅行日程詳細>
地元の高校生の通学時間に重なったようだが、全員が座れるぐらいの混み具合で、徳島駅を定刻7:06に発車。

一駅毎に2分ぐらい停車するゆったりとした単線列車に揺られて30分ほどで、1番札所「霊山寺」の最寄駅である坂東駅に到着。

車掌さんに切符を渡してホームに降り立ち、トイレに寄ると、いわゆる「ぽっとん便所」にちょっとびっくり。

駅の構内でお遍路さん姿の若い女性がおにぎりを食べていたので、霊山寺への道を尋ねると、「1番札所への道は簡単です。駅を出て緑色のラインに沿って歩くと導かれます。」とのこと。

右の写真の中ほど下に見えるラインがそれで、案内版がなくても本当にその「導き」で霊山寺へ着くことができた。
駅から歩くこと15分ほどで1番札所の門に到着。道路の右側の緑色ラインの先、正面に霊山寺がある。

出発前に東京では八重洲ブックセンターにしか置いていないという「へんろみち保存協会」編の「四国遍路ひとり歩き同行二人」解説編と地図編を2冊購入して「歩き遍路とは」を少しは下調べをしてきた。

それでも、足元を固める(軽登山用の靴と靴下に、短パンにもなるズボン)のがやっとで、遍路用品は一切準備なしに、お寺に飛び込むことに。

でも、さすがは1番札所。そういった人が一式揃えることができる売店が朝7時から営業している。

書き出してきたメモを見ながらどれがいいか店員に尋ねると、「遍路はご自分で選ぶのが基本です。」とずばり。
開き直って自分の好みで選ぶと、「あとこれとこれもあった方がいいね」、と言って2点追加。納経帳(各札所の御印を記入してもらうスタンプ台帳)を入れる袋と、と輪袈裟(霊場礼拝の正装具)がずれないようにするネクタイ止め。

「接待します」と2点をサービスしてくれた。合計18,000円程で、白装束と輪袈裟に金剛杖(般若心経が書かれた杖)姿の「即席遍路」の完成。

売店横の休憩コーナーで着替えて、もごもご身支度していると、さっきの売店のおばさんが、「お作法も知らないんでしょ。これをあげるから、少し説明してあげるね」と小冊子をくれて、数珠の握り方からお経のあげ方まで指導してくれた。

「お遍路の醍醐味は接待かもしれないよ。1度も接待をしてもらわずに一巡することがないようにね。」とご忠告。

「接待する」というのは遍路言葉で、文字通りお遍路さんに施しをしてくれること。地元の人たちがお遍路さんを呼び止めて、お茶を入れてくれたり、お賽銭をくれたり、食事をごちそうしてくれることもあるとのこと。人との触れ合いを大切にしないと、お遍路の本当の良さが味わえないということらしい。

霊場での御作法を覚え、初礼拝をして、霊山寺を後にした時には実に2時間以上経過していた。

近所の売店で菅笠(墨で文字が書かれた竹製の丸い帽子笠)を買い足して、ここでも菅笠紐の接待を受け、いよいよ2番礼所極楽寺へ向かう。
道中には、電信柱などに「へんろみち」と書かれた赤色のステッカーが貼られていて、ずっと次の目的地へ誘導してくれている。

ちなみに、左の写真の真ん中には「国道1号線」の標識。実は横浜の自宅も国道1号線沿いなので、こんなところまで続いているかと少々驚き。

「へんろみち」といっても、大半はアスファルト舗装された道路かその歩道を歩くことになるので、5月くらいまでが快適に歩ける限度かもしれない。

そんな時、先程購入した「菅笠」が優れ物であることに気がつく。

直射日光から顔面と首筋を守り、雨が降っても傘代わりになるまでは想像していたが、風が吹くと竹の網目から笠の中の頭上を吹き抜け、とても涼しい。
へんろ道も、右の写真のように、ところどころ当時の面影を残す「けもの道」風のところもある。夏になるとマムシも多いそうだが、この季節は大丈夫。

しばし涼しい道を進むと、苗植えを終えたばかりの水田地帯が広がっていて、とても気持ちがよかった。

こんな感じの道のりをどんどん行くと、3Kmほどで3番金泉寺へ。ここでは、納経所(納経書に朱印を押して毛筆サインをしてくれるところ)で、受付の女性から巡礼3回目の接待を受けた。

それは、「東日本大震災の被災者のご冥福と早期復興」を願って、御線香を包んでくれたもの。歩き遍路皆に接待してくれているとのこと。以降、はずかしながら、礼拝の時には被災者の方々のご冥福も祈ってきた。

ここまでが足慣らしで、4番大日寺へは5Kmの道のり。
休憩で息を吹き返し、何とか6番礼所「安楽寺」へゴール。礼拝を済ませ、16時半に無事チェックインできた。

お寺の宿「宿坊」が併設されているお寺は、八十八の寺院のうち10箇所ほどあるそうだが、1泊2食付で6畳一間の個室。TV。エアコン完備で6,500円は安い。

宿自慢の天然温泉大浴場でゆっくり湯船に浸かり、18時から宿泊者全員(40名ほど)で夕食をいただき、19時から「お説教」も聞けた。
右は朝食。6時15分から昨日と同じ席でいただく。

前日の夕食時にはカメラ代わりの携帯(au IS03)を忘れたので写真はないが、天ぷらやお刺身もついた結構豪華な内容。

大瓶500円の声についついビールを頼んでしまい、一緒のテーブルになった「歩き遍路」4人で盛り上がってしまった。

もう2巡目という横浜市の60代男性と、今朝八十八番礼所を出てここまで辿りついた(八十八番と一番〜十番は1周廻っているので近距離にある)という大阪出身の30代前半の男性。それに、子供たちを置いて2日ほど息抜きにきたという伊豆市50代の女性という面子。

立場や日常を忘れて、遍路談義は楽しかった。

右上のバナナは持ち帰り袋がついていて、、本日の貴重な昼食となった。なかなか芸が細かい。
身支度を整えて、朝7時にチェックアウト。7番札所十楽寺を目指す。

伊豆市の女性は「雨が降りそうだからレンタカーに切り替えた」と飛び出していったが、歩きの自分と結局9番札所まで抜きつ抜かれつだった。各所お経などで30分くらい費やすお遍路ならでは、ということか。バスで廻る団体さんにもほぼ毎回出くわしたが、札所の間隔が短いうちは時間的にほとんど差がない。

もちろん7Kg程の荷物を担いで、連日17Km程の炎天下を歩くのとは、体力的に大差があるが。。。

左は、8番礼所熊谷寺に向かう途中の道標。

写真真ん中の道標の右上に見える茶色の銅像は、地元出身の三木武夫元首相の後ろ姿。

9時近くなって少々雲行きが怪しくなってきた。

雨が降りだす前に何とか本日のゴール11番藤井寺へ辿りつきたい。

ここまでは大したことがなかったが、この後の10番切幡寺までは山道を昇った上に300段を超える石段が待っていて、バテバテに。

それでも何とか頂上の本堂に辿り着くと前の札所で見かけた30名程の団体(おじいちゃん おばあちゃん)が大きな声で般若心経を唱えている。

本堂のすぐ下までバスで乗り付けている威力である。

ここでしばし「バナナ」休憩をして、水分補給して、いざ今回の最終目的地11番藤井寺へ出発。時刻は11時半。まだ天気も持っている。午前中20%午後から70%の降水確率だったことを思い出した。

ここから約10Kmの道のり。うまく行けば13時過ぎに着けるはず。
まだまだ序盤だが、5番札所の地蔵寺に到着した時には結構疲れてきた。(下の写真)
右の写真真ん中の杭の先端あたりに写っているのが9番札所の法輪寺。

ここで初めて「歩き遍路」から接待を受ける。

入口付近で「歩きですか?」と呼び止められて、リュックを下ろしてお菓子を小分けにしたビニール袋を差し出してくれた。

お礼に1番札所で教えてもらった通り、自分の住所と名前を記入した「納札」を差し出した。うれしい接待4回目である。
途中橋を2回渡ったが、いずれも自動車が1台通れるくらいの欄干がない橋。車の合間を縫ってへんろ道は続く。

10Kmはさすがに長かったが、途中から小雨が降ってきて、実はこれが心地よい。

11番藤井寺に到着する直前に本降りとなったが、菅笠のおかげでほとんど濡れることなく無事到着。

礼拝を済ませて納経所のおばさんに最寄駅のJR鴨島駅までの道を聞くと、「私の足で45分かかるよ」とのこと。

先に納経を済ませ、軒下で雨支度をしている歩き遍路さんも駅までタクシーで行こうか迷っているようだから話をしたら、と言ってくれた。
よく見ると、先程9番札所で接待してくれた50代男性である。

割り勘でタクシーで行くことで話がまとまり、電話で呼んだら5分もしないでお寺の下まで迎えに来てくれた。迎車代はなく、初乗り390円。15分ほど乗って950円は安い。

広島から来たという男性は、自分が1巡目の遍路だった時に、他の歩き遍路から接待を受けて、それがすごくうれしかったので、今回は自分が接待して廻っているとのこと。

タクシーの中で今度は菅笠に着ける紐を接待してくれたので、「室戸岬の塩飴」を接待した。5回受けて、自分は初接待である。

鴨島駅に着くと、1時間に1本の電車があと5分で出発するというタイミング。急いで切符を買って徳島駅へと向かった。

これで最初の「歩き遍路」はおしまい。

後は銭湯へ行って、飲んで食って夜行バスに。。。
費用/買物リスト 合計 131,046
<事前準備> 小計 53,971
・四国遍路ひとり歩き(解説・地図) 3,500
・四国霊場MAP 420
・軽登山靴(New Balanace) 25,811
・靴中敷き
・登山用靴下(2重履 2組)
・ズボン(半ズボンにもなる) 22,932
・レインコート(ズボン)
・かっぱ スプレー 小物
・カロリーメイト、飴、ウエットティシュ 1,308
<交通費> 小計 20,850
・東京→徳島 JR関東バス 9,800
・徳島→横浜 KOTO BUS 8,900
・11番→JR鴨島駅 タクシー(2名割り勘) 450
・横浜駅→自宅 1,700
<宿泊> 小計 7,750
・6番 安楽寺 1泊2食付 6,500
・ビール・缶チューハイ 1,250
<遍路Goods> 小計 20,630
・金剛杖(上カバー付) 3,350 (1番印カバー、鈴付)
・白衣(背文字入 袖無) 2,625
・白衣(朱印用(袖付)大師/カラー.) 2,300 (1番印付)
・菅笠(大) 2,500 (1番の近くの売店で購入。紐は接待。)
・経本(四国霊場用 般若心経・一三仏真言) 735
・輪袈裟 2,625
・数珠 2,730
・納経帳 2,610 (1番印付)
・納札 210
・ろうそく 420
・線香 525
(袋、輪袈裟止めは接待してもらった。)
<遍路賽銭> 小計 5,500
・納経/受印 5,000 (納経帳300円+白衣200円)×10箇所
・賽銭 500
<食費> 小計 6,550
・朝食(25日) 250 (コンビニおにぎり2個)
・昼食(25日) 500 (特注 冷やしぜんざい+カロリーメイト)
・昼食(26日) 1,260 (徳島駅前、徳島ラーメン+瓶ビール)
・夕食(26日) 4,540 (徳島駅前、居酒屋 立ち寄り「ろく」)
<おみやげ、雑費> 小計 15,795
・おみやげ 3,675 (徳島駅前、B1Fお土産コーナー)
・雑費 12,120 (マッサージ、銭湯、タオル、コーヒー2回、
コインロッカー2回、お茶8本、ポカリ1本)
<今回の総費用>
靴や靴下はこの旅行がなくとも買ったし、マッサージ代や飲み代など余分も多いので、旅行費用としては、ざっくり6万円くらいかかった計算。
5番から6番へ向かう道すがら、お腹がすいてきた。夜行バスが今朝立ち寄ったSAのコンビニおにぎり以外、カロリーメイト1袋食べただけでは、今晩の夕食まで持ちそうもない。とはいえ、この15時ごろにちゃんと昼食を食べるのも。。。そもそもレストランはおろか、コンビニすら1件も見当たらない。

そんなことを考えながら歩いていると、ふと「お遍路さん、左に30mのところに、お茶を用意しています。」という看板が目に入ってきた。6番への道は右に曲がる方向。この30mの「戻り」と、疲労感との駆け引きとなったが、どういうお店なのかという好奇心で左に歩みを進める。

外から見ると絵画が壁一面に飾られているギャラリーのような喫茶店。メニューを見るとコーヒーがメインで食べ物はワッフルぐらい。それでも何となく中に入ってみると、60代と思われる男性が「いらっしゃい。外のテーブルに無料のお茶を用意してあるよ」と言う。「実は少々お腹が空いたので、何か食べるものはないですかね」と聞くと、「食べ物メニューはあまりないけど」といいながらメニューを見せてくれた。

やはりワッフルとアイスクリームぐらいしかなさそうだが、「ぜんざい」の文字が目に入った。「温かいぜんざいですよね?」と聞くと、今日は暑いから「冷たいぜんざいをアレンジしてみようか?」とのお言葉。それを「特注」してごちそうになった。500円。

歩き遍路を昔していて、奥さんも徳島出身なので、茨城からここに移り住んで店を構えることにしたとのこと。しばし「歩き遍路」談義をして店を後にした。


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