はじめての写真入門 (PartV)

レンズの詳細について

  前回では、大まかなレンズの種類について掲載しましたが、今回は、もう少しレンズについて詳しく触れてみたいと思います。

  camera 一本の撮影レンズの中にある、凹凸レンズの理由とは?
  レンズを購入すると取扱説明書にレンズ構成として、○群○枚と記載してあるが、どのようなことなのか少し触れてみます。凸レンズ(ルーペなど)には光を一点(焦点)に集める特徴があり、像を見ることができますが、凸レンズだけでは撮影するのに好ましくありません。その理由として、凸レンズを使用して像を見ると、像の中心から離れるに従い収差(注.1)が現れます。そこで撮影レンズには、その収差を補正する必要が出てきます。
  上記のように、この収差は写真上、好ましくない現象であるため、補正を行うのですが、基本的な補正には凸レンズと凹レンズの組み合わせ(この場合でも全体として一つの凸レンズとなる構成。)により、その収差を補正することができます。このことから一本の撮影用レンズに幾つものレンズが組合わさっていることが解ります。また、各メーカーでは組み合わせ以外の様々な補正を施しています。

  camera 焦点距離とは?
  この用語は、比較的よく目や耳にすることが多いと思います。では、どういうことなのでしょうか。
  撮影レンズは、幾つものレンズの組み合わせで構成され、全体で一つの凸レンズと同じ構造になり、光を焦点する事は、先程述べましたが、その一つの凸レンズ(撮影レンズ)の中心から焦点までの距離を焦点距離といいます。(撮影レンズの無限遠(∞)にピントを合わせた時を基準としています。)

  camera 画角とは?
  画角とは、写真として写し込む範囲を角度で表したものです。名称のごとく広角レンズであれば広い角度を持ち、望遠レンズでは狭い角度になります。また、レンズの焦点距離で言い換えれば、短い焦点距離の場合は大きな(広い)角度を持ち、長い焦点距離の場合は小さな(狭い)角度と言うように、焦点距離の数値と角度の数値は、反比例の関係になります。このことはレンズの取扱説明書などに、このレンズの画角は、いくつです。と言った表記を見ることができます。しかし、その点について少し注意しなければならないことがあります。
  では実際に、どのような角度であるのか、少し触れていきます。写し込む範囲(フィルム)であることは前にも触れましたが、フィルムの縦横ではなく、四隅の対角線上に対しての角度であることを頭に入れ下さい。例えば、魚眼レンズ(注.2)では180度の画角を表記している場合がほとんどですが、これを対角線上に当てはめて考えてみると、海岸線などに立ち、右端から左端まで(半円を描くように)の水平線を、陸を入れて写し止めることはできません。この場合、水平線を写し止めることのできる角度は、横に対する角度分になります。このことは撮影イメージの参考になると思います。

  camera 絞り・F値とは?
  
絞りとは、フィルムに取り込む光の量を制御(露出(注.3))する働きを持っています。絞り羽根(絞りリング)を操作することにより調整を計ります。絞り羽根を最大に開いた状態(レンズが最大限に光を取り入れる状態)を開放、可能な限り絞った状態を最小と言います。また、F値としての表記や言い方もあり、レンズの焦点距離を入射(有効)口径で割った値で示しています。この値は1を基準にして小さいほど明るいレンズであり、数値が大きくなるほど暗くなります。また、下記に絞り値の違いによって、写真にどのような影響が出るかを掲載しました。撮影条件は、手前の花にピントを置いて、絞りのみの変更で撮り比べています。絞りを開放で撮影したのが左側で、背景の花や葉は完全にボケています。一方、右側は絞りをF16まで絞って撮影したものですが、背景の花や葉はボケているものの開放時に比べ、その姿を浮かび出していることが解ります。(より絞り込むことで効果を大きくします。)このように絞りによって写真のイメージを自分の意図するものへと変えていきましょう。(掲載したハスを含んだ写真を次回の手軽な花紀行に予定しています。(^^;;;)

photo-F2.8
photo-F16
絞りを開放にした場合 (F2.8)
絞りを絞った場合 (F16)

  camera 被写界深度とは?
  
被写界深度とは、写真の中でピントの合っている(合っているように見える)範囲のことを言います。手前の被写体から遠方の被写体まで、ピントの合っている(合っているような)場合は、深い(広い)と言い、この範囲が少ない場合を、狭い(浅い)と言います。この範囲は様々な条件により違いが現れます。また、下記の条件に注意しながら、写真のイメージ作りを会得していきましょう。

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 焦点距離の長いレンズは浅く(狭く)、短いレンズは深い(広い)。

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 被写体までの距離が近い場合は浅く(狭く)、遠い場合は深い(広い)。

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 絞りが開放の時は浅く(狭い)、絞り込むと深い(広い)。

  camera 遠近感とは?
  
遠近感とは、近くにあるものが大きく見え、遠くにあるものが小さく見える視覚効果の事を言いますが、写真の場合は撮影レンズによって、この遠近感を強調したり弱めたりすることができます。焦点距離の短い広角レンズになるほど、手前の被写体が大きく強調され、背景との距離を多く持ち、視覚効果が強調されます。また、焦点距離が長く望遠レンズになるほど、被写体と背景との距離が圧縮され遠近感の効果は弱まります。このように遠近感を利用した絵作りをすることも一つの表現方法ではないでしょうか。

  camera 撮影倍率・等倍撮影とは?
  
撮影倍率とは、実際の被写体の大きさを、フィルム面にどのくらいの大きさで、写し撮ることができるかを数値化したものです。例えば、実際の大きさが1pの被写体をフィルム面では、5oの大きさに写せるレンズの場合は、1/2倍率となります。また、1pの大きさで写せるレンズの場合は、1/1倍率になり、このことを等倍と言います。このことから、実際の大きさを1とした時に、どのくらいの大きさで写せるかを判断する資料と共に、イメージづくりに役立てることができます。このことは、レンズの取扱説明書の中で、最大撮影倍率などと表記してあると思います。

  camera その他、特徴的なレンズ!!
  通常の用途とは、少し違った効果や使い方をするレンズについて、少し触れていきます。

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マクロレンズ
  通常の撮影レンズについては、収差補正を無限遠(ピント位置)に重点を置いていますが、マクロレンズの場合、接写時(近撮影)に重点を置き、収差補正(もちろん、その他でも補正されている)されています。よって、接写時の写真表現力が優れており、接写に適したレンズといえます。

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レフレックスレンズ
  通常のレンズ構成だと、焦点距離を伸ばすとレンズ長も延びていきますが、このレンズの場合、反射望遠鏡のような構成になっており、レンズ長を伸ばすことなく、望遠撮影が可能になります。また、構造上、リングボケと呼ばれる独特のボケ味を見ることができます。

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ソフトレンズ
  通常、写真表現でフィルター(注.4)などを使い、ソフトな演出をすることが可能ですが、このレンズは、フィルターを使用することなく、シャープな画像の周りにソフトなボケを出すことができるレンズです。すべての収差補正を施さず、効果の出るものを残した形といえます。

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シフトレンズ
  通常、広角レンズなどで高層ビルを撮影すると、上層ほど小さく写り(遠近感により)、傾いたように見えます。この現象を補正する、あおり機能の付いたレンズのことを言います。このあおり機能によって、垂直線の歪みもなく、描写する事ができます。

  以上のように、今回は、少し堅苦しい話?になってしまいましたが、写真を撮る上でのイメージ造り及び参考になればと思っています。また、前回の更新から間が空いてしまいましたが、これからもよろしくお願いします。
  さて、次項は、カメラ・レンズと触れてきたので、フィルムについて を予定しています。その他、掲載記事について「もっと詳しく」や「新たにこんな事について」などのご要望があれば、お寄せください。


注.1・・・レンズで像を造るとき、光が集まる中心から離れるに従い、像がぼやけたりゆがんだり、色がついてしまうこと。
注.2・・・全周魚眼レンズ(対角線・水平線・垂直線対応)を除く。
注.3・・・露出については、後日掲載予定しています。(あしからず(^^;;;)
注.4・・・フィルターとは、撮影レンズに取り付け、様々な効果を得ることができるアクセサリーのこと。(その種類は膨大にあります。)

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はじめての写真入門 (Part W)

フィルムについて

  前回までカメラやレンズについて触れてきましたが、今回は、写真を撮る上で、必要不可欠なフィルムについて触れていきます。カメラ店には、カメラ・レンズと共にいろいろな種類のフィルムが販売されていますが、その理由を知り、それぞれの条件に合わせたり、自分の絵造りに合わせるなど、フィルムを有効に使い分けていきましょう。

  camera フィルムの種類を知る!!
  
フィルムの種類を覚え、用途に合わせて使い分けましょう。フィルムには、下記に示すものがあります。

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ネガ(カラー)フィルム
  フィルムを現像した段階では、色の明暗が逆転していて、明るい部分は暗く、暗い部分は明るくなっている。これをプリントすることにより、色の再現を確認することができる。

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リバーサルフィルム
  フィルムを現像した段階で、色の確認ができる。また、ネガに比べ発色やコントラストがよく、作品造りに向いている。もちろん、プリントすることも可能だが、ネガに比べ割高になる。

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モノクロフィルム
  いわゆる白黒フィルムである。ネガ(カラー)同様に現像した段階では、色の明暗は逆転して、プリントすることにより色の再現を確認できる。

  以上のような種類が代表的であるが、モノクロフィルムについては、その特徴により使用目的に合わせることができますが、ネガとリバーサルはどちらもカラーであるため、その選択に迷われることと思うので、その使い分けを触れていきます。
  まず、ネガ(カラー)フィルムは、記念写真やスナップ撮影と比較的撮影後、プリント枚数の多い場合にはお奨めです。また、ラチチュード
(注.4)が広く、露出の心配もほとんどなく、写真が失敗になることもないでしょう。
  次に、リバーサルフィルムは、ネガフィルムに比べ、自然の色の発色がよく、コントラストも強く効いたフィルムが多いため、作品造りに最適なフィルムといえます。その反面、ラチチュードが狭く、露出の知識などが必要になり、慣れないうちは、写真が失敗になる可能性があります。

  以上のことから、初めて使うフィルムは、ネガ(カラー)フィルムをお奨めします。まずは、写真の楽しさを充分に味わうことが、いいのではないでしょうか。そのためには、極力失敗を減らす構成で望みたいものです。「カメラもレンズもすべてオート」ここから初め楽しさを知ることが、大事なように思えます。
  話が少しずれましたが、次は上記のような種類の中に、いくつかのタイプがあることに触れていきます。

  camera フィルムのタイプを知る!!
  
フィルムの種類については、上記のようなものがありますが、それぞれの種類の中にいくつかのタイプがあり、そのタイプを知り、条件や自分の目的にあった使い分けをしましょう。フィルムには、光に対する感度があります。このことは、「ISO ○○」(注.5)などの表示をフィルムケースで目にすることができます。下記にタイプと特徴をまとめてみました。

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低感度タイプ
  このタイプは、粒状性に優れ、細部にわたる描写が可能であり、画質に優れている。写真の引き伸ばしをしたときでも美しい仕上がりになる。反面、低感度のため、撮影ブレや被写体ブレなどの注意点がでてくる。「ISO 50前後」

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中感度タイプ
  このタイプは、低感度と高感度の中間的な性質を持っており、扱いやすいフィルムといえます。「ISO 100前後」

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高感度タイプ
  このタイプは、低感度に比べ、粒状性に劣り、写真を引き伸ばした場合など画質の低下を招く。が反面、高感度のため、光量の少ない室内や室内での動きのあるもの(動きの一瞬をとらえるなど)への描写に優れている。「ISO 400以上」

  以上のようなタイプを見ることができますが、実際にどのような使い分けをしていくのか、少し触れてみます。このことは、撮影条件に大きく左右されることなので、そのことを考えてみましょう。
  まず、低感度タイプの場合、描写しようとするもの(状況)が、比較的明るく光量の心配がなく、被写体自体がブレる環境でない状態が好ましい。また、大きく引き伸ばして仕上げたい場合などに向いている。ブレの問題については、三脚等の使用やブレの原因を読むことにより軽減をはかれる。
  次に、中感度タイプの場合、夜以外であれば、撮影に支障の出ることは少ないと思われる。仕上げの引き伸ばしに関しても全紙
(注.6)などのように大きく行わなければ、まず支障はないでしょう。タイプの中では、もっとも扱いやすい(様々な条件に強い)ため、万能向きと言えます。
  最後に、高感度タイプの場合、撮影時の条件による光量不足や、そのような状況下での動きのある描写に向いている。
  このように、それぞれのタイプには、メリット・デメリットがあります。

  

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画質を優先すると(1)低感度→(2)中感度→(3)高感度フィルムとなります。

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撮影条件を優先すると(1)高感度→(2)中感度→(3)低感度フィルムになります

  このような条件下で、撮影者自身が選択し、活用及び利用していきましょう。また、初めのうちは、癖?のない中感度フィルムを使用し、様々な条件の中で撮影に与える影響を覚え、自分にあったタイプを見いだしていくのが賢明だと思われます。

  camera その他、フィルムに対する注意点!!
  以上のように、いろいろな種類・タイプがあり、それぞれを使い分けることにより、写真表現の幅を広げていきましょう。また、それ以外のフィルムに関することを下記にまとめてみました。

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デイライト用とは?
  太陽光の下での、色の再現を目的としたフィルムであり、室内照明用には、タングステン用がある。

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フィルムの保存法は?
  フィルムには、それぞれ使用期限があります。これは色の再現力の保証期間のようなもの。また、このことからも「生もの」であることがわかります。保存には、冷暗場所に保管した方が好ましい。

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発色やコントラストの違い?
  リバーサルフィルムの場合、メーカーや商品によって、発色やコントラストの違いが現れ、状況や好みに応じて使い分けると、写真表現の幅も広がる。

  camera 今回のまとめ?
  上記のように、様々なフィルムがある理由について触れてきましたが、では、どのように使い始めればいいのか?
  まず初めは機材(カメラ・レンズ)に慣れていないと思われるので、フィルムはネガフィルムの中感度タイプを使用することをお奨めします。通常、この条件でカメラの設定をオートにしていれば、ほとんどの条件下で撮影可能であり、失敗も少ないと思われます。まずは、機材に慣れると言うことです。それを踏まえた上でフィルムを使い分けをしていきましょう。

 

  以上のようにカメラ・レンズ・フィルムと触れてきましたので、いよいよ次項では、実際に撮影するときに参考になるような事柄 「構図について」 を触れてみたいと思っています。いろいろな出来事に触れ、感じてシャッターを切る時に、一呼吸おけるような内容にと思っています。


注.4・・・ラチチュードとは、自然界には、様々な色が存在していますが、そのすべての色を同時にフィルムに納めることはできません。フィルムの持った範囲の中での描写となり、その範囲のことをラチチュードという。
注.5・・・ISOとは、感度を表す表示で、国際標準化機構で定めている。
注.6・・・全紙とは、プリント仕上げの最大サイズのこと。(キャビネ・八ツ切・六ツ切・四ツ切など)

余 談   フィルムのフォーマットをご存じですか?
   アドバンスト・フォト・システム・カメラ(APS)・・・・・30.2×16.7mm
   35mm判カメラ・・・・・24×36mm
   中判カメラ・・・・・6×4.5cm(55×42mm)・6×7cm(69×56mm)・6×9cm(82×56mm)など
   大判カメラ・・・・・4×5in(120×97mm)

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