同性パートナー―きたむら涼子行政書士事務所

同性パートナー


同性パートナーの現状について

現在、日本においては、同性愛者間の婚姻は認められていません。
海外では、アメリカの一部の州やヨーロッパの一部の国などで同性婚が認められています。

また、海外では、婚姻によらない「パートナーシップ制度」というものもあります。
これは、婚姻していないカップルに、一定の法的保障を与えるために設けられた制度です。
各国によって事情は様々ですが、この制度が設けられた背景として、離婚手続きが煩雑、同棲カップルが多い、婚姻によらない子どもの出生が多い、エイズの問題などがあげられます。

このパートナーシップ制度は、同性カップルのみに適用されるものと、同性・異性カップルの両方に適用されるものがあります。
後者で代表的なものが、フランスの「パックス」という制度です。
「パックス」とは、2人が共同生活を送るために結ぶ民事連帯契約です。
このように海外における同性カップルのための様々な制度を受けて、日本でも同性婚やパートナーシップ制度の議論が広がりつつありますが、制度として確立されるにはまだまだ時間がかかるようです。


保障について

現在、日本において、一緒に生活している同性カップルには、異性カップルの婚姻や事実婚で認められている法的保障(健康保険、年金、税法上の優遇措置など)がありません。

このほかにも、生活上不都合なことがたくさんあります。
住宅を購入する際、住宅ローンをパートナーと一緒に借りることは、ほぼ不可能に近く、部屋を借りる場合も、特に男性カップルでは、貸主の承諾を得るのが難しく、同居人を秘密に住まわせるカップルも多くいるようです(契約違反となり、退去しなければならない場合もあります)。

また、親族でないため、生命保険の受取人になることも難しく、病気や事故などの緊急時に、医療機関から病状説明や治療方法などの説明が受けられないことも考えられます。
さらにパートナーが亡くなったら、相続人ではないため、一緒に住んでいた家から出て行かなくてはならないかもしれません。

パートナーを守るために

委任契約

病気や事故で入院した場合や、将来老齢のため身体能力が衰えた場合に、法律上家族ではないパートナーが看護したり、本人に代わって預貯金を引き出したりするような日常的な事務処理を行うにあたって、支障をきたす可能性もあります。
親類よりも、パートナーに自分の世話を託したい場合は、パートナーと「委任契約」を結んでおくと安心です。
*委任契約は、身体能力が衰えた場合に備えるものです。判断能力が不十分な場合(認知症など)は、後述する「任意後見契約」が、別途必要になります。

任意後見契約

認知症などで判断能力が不十分になった人の権利を守る制度を、「成年後見制度」といいます。
成年後見制度には、「任意後見制度」と「法定後見制度」の2種類があります。

「任意後見制度」とは、将来判断能力が不十分になった場合に、自分の代わりに財産を管理してもらったり、介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んでもらう人を任意後見人としてあらかじめ契約しておく制度です。

これに対し「法定後見制度」は、すでに判断能力が不十分になってしまった後に、親族などの申し立てにより、家庭裁判所が後見人を選任する制度です。
法定後見制度では、選任された後見人や援助の内容が自分にとって適切であるかどうか、もう自分では判断できません。

自分の希望どおりに、信頼できるパートナーに世話を託したい場合は、「任意後見契約」を、パートナーと結んでおきましょう。

遺言書

同性パートナーの場合、法律上の配偶者とならないため、お互いに相続人になることはできません。
パートナーに財産をのこすためには、必ず遺言書を作成する必要があります。
また、遺言書には、財産以外にも、葬儀やお墓の希望を記載したり、祭祀承継者を指定することもできます。

養子縁組

血縁関係による親子関係がない者の間で養子縁組をすると、親子関係が生じます。
一定の要件を満たす同性カップルが養子縁組をした場合、法律上親子となるため、同性カップルに認められていない様々な保障やサービスが受けられることになります。
養子縁組をやめたいときは、養子離縁手続きが必要です。
ただし、たとえ離縁したとしても、いったん養子縁組をすると、婚姻はできません(将来同性婚が認められた場合、養子縁組をしたカップルは婚姻できない可能性があります)。

お二人のための書類を作成します

将来、同性カップルの方の法的保障がどのようになっていくのかは、現在のところわかりません。
制度ができるのを待つ間にも、年をとっていきますし、お二人の間に重大なトラブルが発生するかもしれません。
当事務所では、お二人のご希望をじっくり伺って、今できる最善の方法を一緒に考えさせていただきます。
行政書士には、守秘義務がありますので、安心してご相談下さい。


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