大森教会に設置されているオルガンはイタリアのヴァイカウント社製の電子オルガン「カンティクス」と同社製のパイプオルガン「ミンスターパイプ」を組み合わせたいわゆるハイブリッド型のオルガンである。
「カンティクス」はヨーロッパの由緒あるカテドラルのパイプオルガンの音を音源とする電子オルガンで本体上部に組み込まれたスピーカーシステムは極めて優れた設計が施されており本物のパイプオルガンと聞き紛う響きを礼拝堂に溢れさせる。性能的には約2500本クラスのパイプオルガンに匹敵する。ストップ数は手鍵盤が上下それぞれ11足鍵盤は10である。最低音は16フィートである。
「ミンスターパイプ」は73本のパイプで構成されるパイプオルガンである。小規模とはいえ正に本物のパイプオルガンの実音を響かせる。
この両者はスイッチ一つで組み合わせあるいは単独で演奏可能であり演奏者は曲想や演奏されるその場の雰囲気に合わせ随時切り替えて演奏している。
このハイブリッド型の構成は一方が電子的に固定された周波数の音であるのに対して他方は温度などで微妙に周波数が変動するため音にゆれが生じたり時には耳障りな響きになることもあるが、それはそれなりの味わいであり、場合によってはさらに大規模なパイプオルガンの風味を醸し出す要素にもなっている。
(画像をクリックするとパイプオルガンの音をお聴きいただけます。)
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