卒論の書き方

やればできる 卒業論文の書き方

中田 亨
2003年10月15日初版。2009年4月27日改訂

工学部の標準的な卒論の書き方について説明します。修士論文でも博士論文でも書き方は同じです。


第1部 卒論クイックスタート

卒論とは?

とともに記述されている、組織立った文書。

卒論は習作であり、基準は甘い。対外発表論文では第1条が「他人のアイデアより明らかに優れたアイデア」と厳しくなる。

「新しい意味を伝えることが、命題の本質である。」(ウィトゲンシュタイン)

標準的な卒論の構成

論文のスケルトン 新聞記事・ニュース原稿
(各項 1〜3文)
(1)何の問題をなぜ研究するのか?
(2)どのように解決するのが良いか?
(3)その解決法はなぜ可能か?
(4)充分な証拠は示されるか?

(1)○○という証拠が出た
(2)それは何の問題に応えるか?
(3)その解決法の長所・波及効果は何か?
(4)その解決法はなぜ可能になったか?

題目: 説明的なタイトルを付ける。例えば「人体計測装置の研究」では舌足らずであり、「赤外線平行投影法を用いた人体計測装置」とか、「海中でも使用可能な人体計測装置」などがよい。(私の上司の金出武雄氏の方式)。

要約: この研究が新聞記事になったなら・・・と、イメージして要領よくまとめる。

第1章 序論

第2章 理論と実施計画

第3章 道具や作ったものの説明 : 無くてもよい。計画で目論んだ機能を、どのような“からくり”で実現するるかについて、対応付けながら記述する。いわゆるスペックデータであっても、要求機能に対応しない些末な事ならば、ここでは書かなくて良い。

第4章 やってみたこと(実験など) : 第3章と比較すると、ここでは何か特別な目的をもって重点的に行ったことについて詳しく述べる。

実験を複数行った場合は、「やってみたこと」の章を追加する。

第5章 結論: 「要するに〜〜〜だった」。

「この論文は何によって人々に憶えられたか」を書く。読者がその知人に話す時に、どういう論文を読んだのかを説明する言葉を、ここに用意しておく。(建前は、筆者から読者への主張の要約であるが、それとは少し方向性を違えることが、金出先生秘伝のコツである。)

「シュンペーターは二五のとき、ヨーロッパ一の馬術家、ヨーロッパ一の美人の愛人、偉大なる経済学者として憶えられたいといった。しかし、亡くなる直前の六〇の頃、同じ問いを再びされたときには馬のことも女性のこともいわなかった。インフレの危機を最初に指摘した者として憶えられたいといった。」(ドラッカー、『非営利組織の経営』)

整理するには、下記の表を掲げておく。

<<<結論表>>>
課題番号 課題 従来技術の水準(課題にまとめても可) どうあるべきか(本研究の解決策にまとめても可) 本研究の解決策 結果
地上を汚染する放射能を除去すること 放射能除去装置が存在しない。 イスカンダルの放射能除去装置の入手 イスカンダルへ入手部隊の派遣 350日で帰還。装置入手。乗組員5割損耗。
1−A (サブ課題) 地球からイスカンダルへ往還すること 移動手段はあるが、経路上にて妨害する敵対武装勢力に対抗できない。 移動手段の武装化 沖縄近海に沈没している大型戦艦を改修し使用。新型砲の実装。 乗組員5000人の戦艦製作。砲出力200メガジュール。
1−B 装置入手部隊の帰還まで人類を生存させること 地球表面は放射能のため生存が不可能 地下に避難する 1年分の食料と燃料を蓄えた、外界絶縁型の地下都市を作り残存人類を収容する 酸素切れ寸前に部隊帰還。生存率90%。

謝辞: 研究指導者、研究資金源への謝辞。○○○に迷った・困った時に、誰に▽▽▽と教えてもらった、など。研究過程の実態がにじみ出るので、非常によく読まれる部分である。

参考文献: 本文で引用しているものだけをリストにする。

付録資料: 図面、装置の操作方法のコツや、失敗したこと、論文には結び付けなかった仕事や実験、プログラムリストなどを、後輩の助けのために付ける。卒論審査には関係ないので、審査後に製本する際に差し入れて間に合う。あまり早めから差し入れると印刷が大変になることもある。

速く楽に書くための心得

図と写真をまず準備
図と写真を先に用意

広く浅く書き建てる
頭から順番に書くのは大変
頭から順番に書くのは大変

執筆とは自分自身との心理戦である。自分を手なずけた者が勝者となる。

速く楽に書くコツは、「広く浅く書いて積み上げる」ことと「人に見せる」ことである。

  1. 「まず図と写真を用意する。図も写真も無いものは書けない」(論より証拠の原則)
  2. 「全体のアウトラインを決める」(結論表を作る。結論表から目次を作る。各部分で何を書く予定か箇条書きにする。)
  3. 「書きやすいところから書く」(軟弱者の原則。装置の説明などから書く。)
  4. 「ある部分の2割が書けたら、他の部分の執筆に移る」(浮気者の原則)
  5. 「ある部分の8割が書けたら、他の部分の執筆に移る。10割の完成までは険しい」(浮気者の原則アゲイン)
  6. 「人に見せる」:先生や同僚に見せる。見せれば見せるほど、速く楽に書ける。
  7. 「客観と主観を同一部分に書かない」(「この値は7だった」と書くのはよいが、「この値は7と大きく素晴らしい」と書くのはダメである。)
  8. 「同じことを2度書かない」(同一の内容が複数回表れるのはダメ。同一の事柄について述べるにしても、見方や詳細度を変化させて書くこと。
     例えば、ことがらAを、序論では課題としてのA、2章では概念・モデルとしてのA、3章では設計する上でのA、4章ではデータとしてのA、結論では要するにAは何だったか、と書く。
     この筋を「話のたて糸」と言う。
  9. 「伏線を回収する。回収できない伏線はそもそも書かない」
     いずれのたて糸に乗っていない“迷子”の話題は、論文の欠陥である。 結論に結びつかず無駄である。削ること。論文は彫刻。やったことの寄せ集めではダメ。
    (迷子を作らない涙ぐましい努力の例:諸星大二郎「孔子暗黒伝」)

おすすめ書き順

「難易度の低いものから書く」の原則に従って、次の順序で書く

  1. 謝辞:ウォーミングアップ。とりあえず書いておく。卒論のファイルがコンピュータ上に出現するので、心理的に勢いがつく。
  2. 図と写真:この量が論文の量を事実上決定する。
  3. 結論表の作成
  4. 道具説明の章のメモ(箇条書き程度のもの)
  5. やってみたことの章のメモ
  6. 参考文献のメモ
  7. その他の部分(難しい部分は当面は短く書くだけでもよい)

狭く深く書き進めると、論文の全体像が見えなくなるので注意。広く浅く書く。

いい論文とは何だろう?

どうすれば、そうなるか?:研究課題をできるだけ深く突き詰めて考え抜くこと。浮気しないこと。

ダメな論文を書く14の方法 (海原雄山口調でお読み下さい)

海原:「ぬうぅ、なんだこの論文は!

  1. 途中で印刷して紙の上で推敲しない。
  2. 執筆中に指導教官や同僚には、なるべく見せない。(「他人の文章の善し悪しはわかるが、自分の文章はわからない」(宮脇俊三だったかな?)
  3. どこがどう難しいのかを記載しない。
  4. グラフはExcel様のなすがままに、いいかげんに作る。(グラフの軸目盛で有効数字を表現する方法って絶滅寸前か。)
  5. 図や写真を少なめにする。
  6. 理由は常に曖昧に。計画性がなく、思いつきの実験を少ない事例だけで実験したように思わせる。
  7. 精度とノイズレベルも曖昧に。(特に文系・マスコミの人は、測定誤差がデータの構成要素であることが理解できない傾向がある。誤差というと自己否定にしか思えないらしい。米国の世論調査にはノイズレベルが明示されている。日本だと○○党1%有利などと平気で言う。
    一点買いは単純明快だがリスクが高い。多点買いの戦略理論はプロ好みで奥深い。誤差の素性を把握してこその戦略である。)
  8. テーマの平凡さを、道具のすごさで誤魔化す。(最新のソフトウエアテクノロジを使ったり、値段の高い実験装置を使ったりすると、見栄えがよくなる)
  9. テーマの平凡さを、数式のすごさで誤魔化す。(文字はなるべくギリシャ文字を使用し、積分方程式で記述。一見難しそうに見えるが、実験の際には変数を定数であると強引に仮定すれば逃げられる。)
  10. 結論は「○○○が重要であることが分った」で締めておき、○○○が何にどうつながるのかは言わない。
  11. 結論では、出来なかったことの言い訳を並べる。出来たことの評価は深く考えずに書く。
  12. やりそこなったことを寄せ集めて「これらは将来課題である」とする。(「著者が読者の寛容を乞うのは無益である」(Louis Symond))
  13. 他人の論文を参考文献に取り上げる基準と理由はテキトーにする。
  14. 先輩の成果を書き写して、自分の考えや成果を曖昧にしておく。

海原:「こんな論文で学位を取ろうだの、笑止千万だ!」(第6話:『油の音』)

ある推敲例

筆者がとある(粗製濫造気味の)論文を書いていた時、金出武雄先生に見てもらった。その時に論文執筆に関する金出理論をいろいろ教えていただいた。

★題名について:「AによるB」という題名なら、序論の部分で、本研究は「XによるB」より優れていることを言うか、「AによるX」が着眼点として優れていることを言うのだろうな、と読者は期待する。そうなっているか?

★見出しについて(1):見出しの呼応関係をチェックする。見出し一覧だけの表示にしてみる。(ワードならアウトラインモードレベル3表示。Texなら目次作成など。)見出しだけ読み進めて内容が類推できるか?突飛な話題変更や話題の断絶がないか確認する。
 見出しは説明的でなければならない。ありふれた「序論」とか「方法」というのは内容が不明である。(もっとも心理学の学界などでは、論文構成の統一のために、見出しが固定になっていることもある。)

↓わかりにくい
第1章 序論
第2章 ワルラス安定性の理論
第3章 購買行動観測実験

↓意味的な“つなぎ”が入った例
第1章 序論 — ネット取引での購買者行動の分析の意義
第2章 ネット取引での価格決定過程 — ワルラス安定性の理論
第3章 購買行動観測実験

★見出しについて(2):論理展開のスピードは、ある程度一定でなければならない。論文の前の方で一般的な議論をゆっくりやっているのに、後半になって急に特定の実験に関する細かい説明を大急ぎにやると、読者はついていけいない。実際に自分がやったことに無理なく話題が収束するように、話題を予告・誘導する必要がある。論文題目名を例えば「大きな事:特定の事」と副題を添えた構成にすると、話題が予告できる。

★見出しについて(3):章・節・サブ節とつながる時に、章見出しの後にすぐ節見出しが来るのはわかりにくい。間に説明を入れること。

↓わかりにくい
第2章: 高速配達郵便
第2.1節 気送管郵便
気送管郵便とは云々・・・

↓親切
第2章: 高速配達郵便
高速配達郵便とは、新技術を用いて通常より速く配達する郵便である。主に、気送管郵便、航空郵便、電送郵便が用いられる。
第2.1節 気送管郵便
気送管郵便とは云々・・・

↓無意味
第2章: 高速配達郵便
本章は、高速配達郵便について説明する。
第2.1節 気送管郵便
気送管郵便とは云々・・・

★文章間のつながり:文章の論旨の飛躍を防ぐために、章と章、段落と段落、文と文の間で、次の2つの継承に気を配る。

(1)頻出単語の連携:盛んに使われている単語を抜き出してみる。前の頻出語と後の頻出語は、内容的に関連性のある言葉か?内容的に突飛ではないか?
頻出単語の突飛な継承例:「戦国武将」→「ジョギング対決」→「スペースシャトル」
こうなると、たとえ論理的につながっていても、読者は混乱する。

出現頻度の特に高い単語は、使用を始める前に別段に段落を立てて、論じる理由を説明するべきである。

(2)論理の継承:前段の主張内容を、後段でどう料理しているか。「問題提起→解決策の検討」「分野の発展の歴史→次にできそうなことの考察」、「概念の登場→その内容の説明」など。

★情報の濃度:一般的な言辞を入れると、内容が薄くなり、読者はかったるくなる。
  例:「以上の考察を踏まえ、次の結論を得る。」←内容が無い割に長い。こんな言辞は削除していい。
無駄な表現は、副詞句や接続詞などに多い。削除を検討すべし。

★読者の注目度:読者の関心は、冒頭が最大で、中間は中だるみし、終わりに少し持ち直す。よって、論文の頭、章の頭、段落の頭が、最も注目される。ここで、内容を大づかみかつ明解に説明するべし。判ってもらえないと、次の段に読み飛ばされる。

★ストーリー展開:論文には物語性がある。「私はこう考えました。こうやってみました。するとこれが解りました」という研究物語になっている。このストーリー展開を乱すものは、途中での詳しすぎる説明や、内容的な蛇足である。論文の明解さを保つために、これらは付録に回してみることを検討せよ。

論文のページ数

S.M. Ulam and J. von Neumann: “On combination of stochastic and deterministic processes,” Bull. Amer. Math. Soc., Vol.53, p.1120, 1947.
この論文はたった13行しかないが、科学史に残る極めて重要な論文である。“重要”とは、よく引用される論文という意味である。

このように内容が良ければページ数は、一般論としては、関係ない。

しかし、内容を論より証拠で示すことが求められる。そうすると、論文は自然と長くなる。 証拠を丁寧に記述して、自然と長くなった分だけを論文とすればよい。

わざと長くする必要は全くない。かえって読みにくくなる。

第2次世界大戦中、英国首相チャーチルは、日々送られてくる膨大な文書を選別する基準として、「1ページをはみだした文書は読むに値しない」と、捨ててしまったそうである。簡潔な報告書は、内容の価値が高いのである。

字は大きいほうが読みやすい。紙の無駄になるが、文字の大きさは12ポイントぐらいが良いと、私は思う。行間は1行とばし程度が、添削する上でも便利である。年配の教官や審査員が読むことを考えると、この書式が良い。会社や役所で偉い人に読んでもらう内部文章もこの書式が多い。(ちなみにデキる社員は、必ず読んでもらいたい部分に赤線を引く。)いかにも原稿という雰囲気がする。よく読んで考えてみようという気になる。
(この組版、学生は雑誌や文庫本しか活字に馴染みがないのか、妙に受けが悪い。まあ結局は、大学当局が定めている書式の規定に従う場合が多いのだが。)

「君、普段はもっと素直な文章を書くでしょう? せっかく面白いの書けるのに個性殺してちゃ勿体ない」(祐天寺良一)
「賢人のように考え、凡人のように語れ」(アリストテレス)
「大切なのは平凡な言葉で非凡なことを語ることである」(ショーペンハウエル)
「命題は古い言葉で新しい意味を伝えなければならない」(ウィトゲンシュタイン)
「なんだ。普通の日本語で書けば当たり前のことじゃないか!」(『衝動殺人 息子よ』)

書くための道具

音声合成ソフト(Text-To-Speech, TTS):
 書いた文章を読み上げさせる。目をつぶって聞いてみて、我ながら分かりにくい箇所は修正する。
 最近はパソコンのおまけについてくるぐらいお安くなりました。フリーソフトもある。

キーボード:
 みうらじゅん先生は、腱鞘炎の苦痛を克服しなければもの書きにはなれないと言う。長文の作成は手に負担がかかる。特に悪いキーボードを使っていると、手が簡単に壊れてしまう。USB接続キーボードはそれほど高価ではない。パソコン付属のキーボードそのまんまはやめて、良いものを選びたい。私の考える要件は次のとおり。

メモリ掃除のフリーソフト:
 ワープロ系ソフトは動作が遅い。図や写真を含む長い文書になるとイライラするほど遅くなる。画像処理関係のソフトも遅い。これらのソフト立ち上げ前に、メモリを掃除するフリーソフトを使って、徹底的にメモリを確保するのがよい。(軽快なエディタでやるというのも一つの手である。が、アウトライン編集機能、図表の取り扱い、スペルチェックなどの機能を考えると、二の足を踏む。)
 標語:「パソコンのメモリ掃除は、あなたがしてあげよう」


長文向きDTPソフトについて

OpenOffice:ワードのパチモン(出来は良い)。
 無料で使える。Linuxでも使える。スペルチェック付き。表計算ソフト、お絵かきソフト、パワポのパチモン、数式作成ソフト付き。PDF形式やFlush形式にて出力可能。

ワード:
 操作が簡単。スペルチェックとシソーラス機能がある。普及率が高い(未来の職場においてもファイルを読める可能性が高い)。図や数式の貼り込みが直感的に出来る。パソコンを買うとセットで付いてきていることが多い。

Adobe InDesign :
 操作が簡単なわりに、複雑なレイアウト調整ができる。タイポグラフィなど見映えに関する機能が真面目に整備されている。 比較的高価。

LaTeX:
 (長所) 数式が美しく、番号整理も自動で便利。学会誌でもLaTeXの原稿を受け付けるところが多いので、学会誌投稿の場合に原稿ファイルの流用ができる。テキストエディタは自分の好きなものを使える。基本的に無料で使える(自宅PCと学校PCの両方にインストールしても金がかからない)。
 (短所) 難しい。あれもこれも出来る反面、あれもこれも命令名を知らないと出来ない。バージョン違いや方言が多く、これを克服しないと1ページも出来ないことがある。またエラーの表示内容が、時代遅れ・不親切・意味不明である。インストールの設定が面倒(PC買い替えごとにインストールするのは意外と面倒である)。ソフトウエア部品の権利関係が複雑で、環境一揃いを一発インストールができない。書類のスタイルを変更することは素人には難しい。スペルチェックがやりづらい。参考書に金がかかる。いつまで流通するのか不安。分野によって普及度がまちまちである。一般の人はまず知らない。

Web上のオフィスソフト
 無料で使える。ハードディクスのクラッシュなどによるデータ消滅の恐れが少ない。複数人集団作業ができる。反応速度の遅さやレイアウトの忠実性、国際言語の取り扱いの完備性に、一抹の不安がある。 将来的には、この形態が主流になるだろう。

というわけで、一般的な選択の目安は、

お絵かきソフトやプレゼンソフトまで一揃え欲しい OpenOffice
洗練されたタイポグラフィが必要。ページ数制限の厳しい学会誌投稿を考えている Latex か InDesign
楽して書けるなら、体裁が悪くても、気にしない ワードかOpenOffice
英語で書く ワード(シソーラスがありがたい)。OpenOfficeかInDesignでもまあOK
思い通りのレイアウトにしたい InDesign
論文原稿を5年後の職場でも利用したい ワードかOpenOffice
Webに貼って読者を増やしたい OpenOffice, HTMLエディタ

体験版なども使ってみて選定する。


【アポストロフィとクォーテーションの問題】

コンピュータ上での英文作成上の呪いとなっているのが、これら引用符の文字処理、文字コードの問題である。古くは、タイプライタのdumb quote記号(")に由来する欠点である。

この欠点はしばしば致命的であって、英文をワープロソフトでつくり、PDFに変換すると、アポストロフィやクォーテーションマークが2バイト文字として符号化されることが多い。(引用始まり(“)と引用終わり(”)を区別する1バイト文字がないからである。)2バイト文字は外国で読めないこともあるのになぁ。

最近、私は「ワードファイル → PDF形式 → PostScript形式 → 英語圏のPDF作成サービス → 純英語のPDF形式」ということをやって投稿したことがある。嗚呼。

参考:筆者の博士論文

博士論文「ペット動物の対人心理作用のロボットにおける構築」(PDF 2.9MB)

Windows版jLatexを使用して執筆。(ちなみに審査員の受けはイマイチで、防衛に結構苦労した。後藤友香「正義隊」のようなアレな感じはある。)


「卒論の書き方 第2部 研究の技」につづく


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