視福協


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視福協35周年記念セミナー報告


2010年6月4日 記

視福協35周年記念セミナーが開催されました。

 去る、5月3日、4日の2日間、視福協35周年記念セミナーが横浜あゆみ荘を会場にして開催されました。テーマは「全ての人に福音を−盲人と共に生きる−」主題聖句は「あなた方はキリストのからだであって、ひとりひとりは各器官なのです。(Tコリント12:27)を掲げました。3日13時に新横浜駅に参加者が集まってきました。ここ数年視福協キャンプでも使用している横浜あゆみ荘に、バスで出発です。何時もセミナーやキャンプに参加されている常連の方、久しぶりにお会いする方、初めての方など、参加者は宿泊者が48名、部分参加を入れると50名以上もの盛況です。

 今回は特に長野福音教会から視覚障害者・晴眼者併せて7名もの方が、始め参加して下さいました。受付を済ませて参加者が研修室に集まり、いよいよ開会礼拝です。鳥取福音ルーテル教会の大西雅廣兄の証しがありました。大西兄は鳥取盲学校の理療科の教師をされていました。宇宙における巨大な太陽系の構造と、ミクロの世界、物理学の原子核の構造は類似しています。又、人間の皮膚の構造とイスラエルの民の幕屋の構造も類似しています。このように創造主である神の創造の業は、人間の理解を超えて素晴らしいものです。その神を讃美し崇めます。

 メッセージは荒井隆志牧師です。先生は長い間視福協の実行委員をされていましたが、現在は長野県に在住です。ゼカリヤ書を通して預言者は、イスラエルの神殿の再建を待ち望み、「主よいつまでですか」という信仰を説き明かされました。

 開会礼拝の献金が献げられました。

 礼拝後オリエンテーションがあり、「何処から来ました誰です」と参加者全員の自己紹介をしました。宿泊の部屋割りやプログラムの説明の注意事項がありました。その後、視福協の加盟団体など、今回展示ブースを出展する団体の紹介がありました。いのちのことば社の点字情報センター、静岡改革派キリスト教盲人伝道センター、野村富恵さんの恵泉社、石田透さんの4団体です。

 4時からは自由時間、部屋に入ってゆっくりという人と、加盟団体のブースで説明を聞く人もいました。加盟団体のブースは、いのちのことば社の点字図書出版部門の福音点字情報センター、「声の口語訳聖書」をプレクストークポケットでデモンストレーションした野村富恵さんの恵泉社、点訳図書のデーターを持ち運び可能なブレールメモを展示した石田透さんの4団体です。

 お楽しみの一つ、夕食タイムです。テーブルいっぱいに載っているご馳走です。「我が家の何日分ものご馳走だわ」「セミナーに来て太ってしまう」という声もありました。

 夜7時半からは、第1回の分科会です。

A、「盲人は初めて」、盲人を街中で見かけても、何と言って声を掛けて良いか分からない・・・・と言う初心向けの分科会。

B、「知っているけど」、盲人の必要を理解しているつもりでも失敗をしたことありませんか。

C、「盲人の教会生活支援」、発題者に点字の週報の出来るまでを紹介していただき、盲人の教会生活支援の具体的な問題について、話し合いました。

 以上3つの分科会に参加者の希望により分かれて話し合いをしました。 

 9時に第1回目の分科会を終了しました。このセミナーでは各部屋毎に盲人と晴眼者がペアになって行動します。その二人のペアでお風呂に入り、脱衣場までのガイド、浴室の洗い場や浴槽へのガイドなど、普段盲人と接していない方には貴重なガイドヘルパーの経験です。これも盲人伝道セミナーならではのことです。特に決めてありませんでしたが、部屋毎で夕の祈り、朝の祈りをされたところもありました。

 翌朝は8時から食堂で朝食。朝からお代わりを何杯もする強者もいました。9時30分から第2回目の分科会です。前日と同じメンバーで、昨日からの話し合いが展開されました。

 11時に分科会の話し合いを切り上げて、影山範文牧師の司会で全体報告会をしました。各分科会の話し合いの模様が報告されました。

分科会A 「盲人は初めて」というテーマで、次のようなQ&Aが有りました。

Q:今私が目をつぶったら、殆ど何も出来なくなると思うが、盲人をそのように想像するのは誤りですか?
A:たった今目をつぶった人と、何年も盲人として生活している人とは全く違います。目を使わないで生きるすべを次第に身につけているからです。中途失明なら、失明後の期間が短いほど晴眼者が目をつむったのに近いのではないでしょうか?

Q:駅や街中で盲人を見付けたらどうしたらよいでしょうか?
A:いきなり手を引かないで「何かお手伝いしましょうか」と声を掛けたり、そっと肩を叩いてから相手がして欲しいことに出来るだけ応えて下さい。

Q:中途失明者はどんな状態でしょうか? 
A:個人差はありますが、見えなくなった現実を認め、受け入れるのに長い時間が掛かる人もありますので、行動を見ながら相応しい配慮が必要です。

A:色の感覚はどの程度分かりますか?
Q:見えた記憶のある人と、無い人では異なります。前者は記憶から想像出来ても、後者は単なる概念でしかないことが多いので、気をつけて話す必要があります。 

Q:見える世界の話をしてはいけませんか?
A:見える世界を知らないために、充分には分からない人もいるし、見えた記憶があって理解や想像は出来るが、失明後間もないために心に傷を感じる人もいますので注意が必要です。

Q:盲人が複数居る教会の牧師として、説教上避けるべき言葉はありますか?
A:「めくら、めしい、かたわ」などは当然ですが、「五体満足」とか、「幸いにして障害がない」なども引っかかる人も少なくないので、注意を払う必要があります。

Q:要するに盲人とはどういう人なのですか?
A:失明時期や成育歴、個人の経験などにより様々なので、一人の人と交わった経験で全ての人を判断してはいけません。盲人だけでなく皆個々に違うのだと思います。

分科会B 「知ってはいるけれど」

 一回り自己紹介をしていただいた後、他の人が話をしている間は口を挟まないというルールを決め、司会者なしで、自由な話を続けました。

1.盲人の家庭生活など一般的なこと
 洋服はどのようにして選ぶか
 左右別々の靴下を履かないようにする工夫
 日常の家庭のこと等の話がありました。

2.道路や乗り物
 点字ブロックが黄色でないところがあって,弱視者には見えにくい
 点字ブロックの上に物を置かれていたり、人が立っていたり、まだまだ理解が乏しい
 電車から降りる時、特にホームとの間が広めの時、確認して貰おうとすると、白杖を持ってしまう晴眼者があるので、「それは困ります」と盲人からはっきりした意思表示がありました。

3.教会の中で

 何時も同じ場所にあるはずのストーブやコート掛けが何故か動いていて、ぶつかったりケガをしたりした経験のある盲人が何人かおられました。「食事の時に深めのお皿を使いたいと何年も言い続けて、最近やっと分かって貰いました。

 幾ら話しても結論のでない話ではありましたが、それでも諦めないで何回も何回も言い続けて行こうという点では、みんなの気持ちが一致しました。

分科会C 盲人の教会生活支援 

 ここでは次のような話し合いがなされました。鳥取福音ルーテル教会の大西雅廣兄の発題は、当該教会では点字の週報が35年も前から制作されている様子が報告されました。大西兄のご奉仕の他、牧師が週報の原稿を金曜日にファックスで送ってくれることや、80万円もする点字プリンターの購入について役員会に理解していただき購入をすることが出来たこと、等教会全体の協力が得られていることが報告されました。現在は週報以外に教会総会資料、教会員名簿なども点訳されていることも報告されました。大西兄への質疑の後、分科会の参加者の教会の現状の報告もありました。何れの教会も点訳のボランティアが整っていないことや、高価な点字プリンターの購入など様々な課題があることが判明しました。

 第2回目の話し合いは、

1.視覚障害者の方の教会への行き帰りについて教会による送迎の他、地域のボランティアによる送迎は宗教性行為のため難しい。盲人がガイドをお願いしずらい場合もあり、視覚障害者が自ら交通機関の方々を利用して来られる方もいました。

2.教会の中での移動について,特に靴を脱いで上がる場合、靴を預けてしまうと、自分の靴が分からなくなることについての配慮が報告されました。

3.教会での情報の入手について、(分科会に出席された弱視者の発言です)

弱視は視野の狭窄など、見えにくさに個人差があります。又「全く見えない」のではなく「見えにくい」ため理解されないことが多い。

4.新たに視覚障害者を教会に迎えるためのアプローチとして、バリヤフリー等のハード面だけではなく、教会員や牧師が手引きの方法を学んだり、視覚障害者についての理解を深めるための取り組みが必要です。

5.視覚障害者が教会へ継続してくるための方法として今後の課題が多い。

 各分科会への質疑応答の後、閉会礼拝が行われ、影山牧師による主題聖句「あなたがたはキリストのからだであって、ひとりひとりは各器官なのです」のメッセージがありました。

 全てのプログラムが終了し昼食の後、あゆみ荘のバスで新横浜駅へ「今度は10月のキャンプで会いましょう」と2日間のセミナーで得たお土産を胸に、全国へ帰っていきました。

 渡井秀雄 記す 

      
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