志生塾覚書1

 7月上旬雲ひとつない快晴の青空に真夏の太陽が照り付けている。ぐあーん

という電動草刈り機を担ぎ麦藁帽子を被り、事故防止のためのゴーグルをし

て俊介は半年ぶりに表庭の草刈りをしている。ここで志生塾を開いて12年

目の夏である。

 毎年春先には草刈りをしていたが予定していた週末には雨が降ったりして、

ついやりそびれてしまっていた。その間、藤のつるが数本1メートルほども伸

びて停めた車の屋根に掛かるようになったときは、塾が始まる前に刈り取った

りはしていたが、高さ1メートルほどの志生塾と書いた看板の三分の二程の

高さまで草は伸び、もう十日もすると看板は草で隠れてしまうかと思われるほ

どであった。

 標高50メートルほどの小高い山林に続く裏庭は例年になく降った雨のせい

と草刈りをやり過ごしたために窓から外が見とおせない位に雑草が繁ってい

た。 

塾長のよもやま話2
TOPへ

 志生塾覚書2

 紹介してもらった家屋は、江戸時代に参勤交代に利用されていた唐津街道

沿いにあった。乗用車がぎりぎり離合できる程度の道幅である。

 間口は三間程度で幅一間は道路から4メートルほど空き地の向こうに木製

の枠の上半分が硝子張りの引き戸でできた玄関がある。玄関を開けると1.

メートルほどの土間の向こうが上がり框になっている。上がり框を上がると3

畳の和室、その左手は8畳の和室、奥は6畳の和室A、その左手はまた6畳

の和室Bである。さらに和室Aの向こうは2畳ほどの台所、台所の向こうは6

畳ほどのスペースの土間である。玄関はコンクリートが張られているが、こ

の土間は土のままの地面である。土間の奥の木製の引き戸を開けるとトイ

レがある。小用は排尿を溜めるための窪みをつけたコンクリート張りであり、

昔の農家に見られる開放型である。その横の大用は個室になっているが汲

み取り式である。

 家業の一部は農業であったようでトイレの向こうは8畳位のスペースと3畳

位のスペースの納屋があり、農業用の資材が置かれている。

 和室Aの天井には棟上げ時に作成したのであろう、昭和25年棟上げと記

した記念の板が飾られている。

 志生塾覚書3

私に紹介してくれた藤本さんは今の住まいを建て変える間の一年間、家主

が親戚筋のこの家を借りていたらしい。藤本さんが新家に転居して五年以上

は経過しているだろう。家の内部は荒れ放題であった。ふすまと障子は破れ

がひどく畳みも傷み、床の支えが不十分で歩くとあちこちで畳が安定しない。

天井や壁には蜘蛛の巣が目立つ。それでも改装すれば何とかなると考え、

藤本さんに借用したいと申し出た。

 折尾の薬局は一週間借家の改装のため休みをもらった。改装には小倉で

の10か月程の便利屋の経験が生きた。手始めに天井の埃を掃除機でのぞ

き、水洗いした雑巾で拭くと綺麗になった。

 3畳の間と8畳の間の間の敷居の半分は白アリに食われボロボロになって

いたため補修することにした。ホームセンターに出かけたが、障子のレール

溝がついた敷居は無かったから、使えそうな敷居の半分は残して残り半分

は同じサイズの角材で間に合わすことにした。畳みはどの部屋も不安定な

所があったが、差し当たり入り口の3畳と8畳の間の畳みを外し、建設業を

営む藤本家の廃材置き場にあった5、6寸角の柱の切れ端をいただき地面

と畳の間を補強した。15ヵ所ほども補強すると床は安定した。家主は大工で

もあったらしくこの自分の家を建築したらしいが、畳の床だけでなく手抜きが

あちこちにあった。畳そのものも傷みが激しく稲わらがほどけているのもあっ

たが、補修は出来るだけ費用をかけず済ませたかったから、畳はそのままに

して3畳の間は伊草製の一枚畳を8畳の間にはビニール製で畳風にデザイ

ンされた敷物を敷いた。

 それから、障子と襖の張り変えに取り掛かった。障子は和室Bの左手奥の

風呂場で水洗いし古い障子紙を洗い落とした後新しい障子紙に張り変えた。

張り変えた障子戸は全部で10個あった。次に襖4枚を張り変えた。8畳の

和室の床の間には家主の物であろう古い箪笥が3個並べてあった。そこに

はベッドカバー用の大きな布を二枚天井から床まで降ろして床の間のカーテ

ン代わりにした。塾生は何人来るのかわからないし差し当たり和室8畳を教

室にすることとした。

 志生塾覚書4

この建物を紹介してくれた藤本さんの奥さんの両親は福間駅の近くで食堂

を経営していたようで、そのとき使用していたお客用で二人掛けのテーブル

3つ、と四人掛けのコンロがついたテーブルを寄贈してくれた。それに自宅

の使わなくなったテーブルを持ち込むと、教室用のテーブルは十分間に

合った。 

 ホワイトボードは学生時代に塾を開いたときに購入した縦70センチ、横

80センチほどのものと、同じサイズのホワイトボードをリサイクルショップで

手に入れた。確か二千円位だったと記憶している。玄関の右手には志生塾

と書いた横20センチ縦80センチ、厚さ5ミリ程の白いアクリル板を看板とし

た。 A4のシールにパソコンで一枚1文字志生塾と印刷し、バランスよくア

クリル板に張り付けたものである。

 これとは別に藤本さんから横50センチたて2メートルほどの内部に蛍光

灯が入った、電話番号も書かれた立派な看板をいただいたが、小さな塾に

は不釣り合いであるのと、近所の住宅の景観を損なうと考え、いただいた

が裏庭にビニールシートで包んで保管することにした。

 もうすぐ小、中学、高校は夏休みである。開塾に当たり夏休み期間中は無

料で行うことにした。その後は一ヶ月間の塾料を近隣の塾料より低く週一

回六千円、週二回一万二千円、週三回一万六千円とした。

 志生塾覚書5

 近くのホームセンターで廃棄処分するダンボール箱を何個か貰って帰った。
「開塾記念により夏休み期間中無料指導、小、中高校生、志生塾、
TEL0940-43-6761」とパソコンでA4二枚に印刷し、ダンボール箱を適当
な大きさに切断し張り付けた。その後、「開塾記念夏休み中無料指導」の
箇所は目立つように太い青マジックで上下に線を書いた。更に、雨防止用
にビニール袋でカバーし、四隅にキリで穴を開け、紐を通して電柱や木にく
くりつけられるようにした。
 
上西郷小、上西郷公民館なまずの里、内殿、


八並など15個程度を塾の近辺の電柱や木にくくり付けた。また、開塾案


内のビラも千枚程作成しポスティングルした。

 
反応があるのか心配したが、幸いにも問い合わせの電話が10件ほどあ


り、保護者とも面談し、小学生二人、中学生五人、高校三年生一人が塾に


来ることになった。保護者には夏休み期間内は無料であることを確認し、


続けたいと希望されるなら、その後正式に入塾されてください、と伝えて

]
いたが、結局、夏休み後、塾に来るようになったのは小学生二人、中学1


年生一人、中学3年生二人、高校三年一人の6名であった。内小学生二人

は藤田さんのお子さんであったから無料にした。

インターネット家庭教師(その2)

 ホームページを公開した後、問い合わせのメールは一件も無かったが、一ヶ月が経過した頃、一件の問い合わせが横浜から発信されていた。当サイトを利用してインターネット家庭教師を希望していたが、質問事項が10件ほどあった。
当初三ヶ月間は1時間980円で最低五回分の前納制であること、入会金は不要であることを念を押す質問もあった。今春中学二年になる女子生徒であった。彼女の父親からの問い合わせでとても教育熱心であった。コンピュータ関係の仕事をしていてパソコンに詳しく、お互いの画像が映らなかったりしてスカイプの開通が上手く行かないことがあったが、彼のおかげで全てクリアすること
ができた。後になって、彼は学生時代に古賀市から電車で10分程度の所にある赤間に住んでいたということでとても懐かしがっていた。

 毎回指導日の前日までに質問の問題ファイルをメールで送ってもらうことになった。多いときは15ページもあった。ファイルを1ページずつペイントにコピーし、それかプリントアウトしていた。文字が小さくて読みにくいときは拡大もした。
ホワイトボードは双方から書き込むことができた。
 60分間の体験無料授業の後、三ヶ月間は1時間980円、その後は1500円と格安なのが受けたのだろう。すでに指導を初めて5か月目に入り順調に経過している。ホームページを公開してひと月半ほどは検索順位を上げたくてよくページを更新したり追加したりしていたが、塾とパートの仕事が忙しくなり、4月以来全く更新もしないし、ホームページの順位も確かめなくなった。
 2月中旬頃から塾とインターネット家庭教師の宣伝ビラをポスティングし始めた。一戸建ての民家は時間がかかるから、マンションに的を絞って配布した。
メモ帳の記録をみると、2月19日220枚、21、22日合計410枚、23日210枚、27日530枚、3月7日200枚、13日500枚。この時点で問い合わせは2件あった。一件は浪人生の母親からスカイプ指導によるものであったが、進展はなかった。他の一件は福間中の今春二年になる男子生徒の母親からで、塾で待ち合わせて話をし、直後に本人の体験入塾に入った。帰りは車で送ったが、車中で話が弾んだ。3回の無料指導を経て、後日、母親から電話があり、通常授業を週3回、2時間3000円の個人指導を春休み中に3回行うことになった。今回のポスティングは、一人でも入塾者があればと思い実施したから、成功であった。

 ビラはインターネットで見つけたA4一枚1円で提供する印刷会社で5千
枚印刷していたからまだ三千枚ほど余っていた。

 

志生塾覚書6

草刈りは午前10時半頃から始め昼食を挟んで午後5時頃に終わった。
表庭の看板も全体が見えるようになりすっきりした。伸び放題に伸びた裏
庭の雑草も刈り終え風通しもよくなった。これから夏本番を迎え、エアコ
ンがない扇風機三台の教室には風通しは欠かせない。これから古賀の
自宅に戻りシャワーを浴びて7時半からの授業に再び戻らなければなら
ない。

TOPへ
TOPへ
TOPへ
インターネット家庭教師
ONWARD  オンワード