相続のお勉強

特別縁故者

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相続人不存在のときに認められるかもしれない特別縁故者

特別縁故者とは?

民法で相続人の範囲が決められていますが、もし配偶者も子供も兄弟姉妹もいない場合はどうなるのでしょうか。

「いとこや遠い親戚などに相続される!?」
と、お思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、遺言などで指定しない限りそういうことにはなりません。
民法にある第3順位までの血族以外の親族は、相続人の地位にはありません。

では、国のものになるのかと言えば、最終的に相続するものがいなければそうなりますが、すぐにそういうことにもなりません。

以下は簡単な流れです。

特別縁故者とは生計を同じくしていた人や療養介護に努めていた人など(お世話になった老人ホームや菩提寺などの法人に認められる場合もあります。)が該当します。
例えば、婚姻はしていなかったけれど、夫婦同様長年連れ添ってその最後までの面倒をみてきた人が、戸籍上、相続人で無いことを理由に財産を受け取れないような場合です。

特別縁故者は、上記にある期間内に家庭裁判所に対して申し立て、裁判所が縁故の度合いや献身の度合い、生活状況などを調査したのち認められます。
しかし、裁判所の判断によりますので必ず認められるとは限りませんし、一部しか認められない場合もあります。

また、特別縁故者の申し立てまで辿り着かないこともあり得ます。
例えば、相続人の捜索の際、自分がまったく知らない相続人の存在が明らかになったり、行方不明の相続人がいた場合などは相続人不存在とはなりません。
そんな場合、その相続人に相続を放棄してもらわないと申し立てができません。
そして、行方不明のままの場合、失踪宣告の問題になってしまいます。

【特別縁故者のポイント】
・ 相続人不存在であること。
・ 特別縁故者から請求の申し立てをしなければならない。
・ 家庭裁判所が特別縁故者かどうか判断する。

特に相続人不存在の条件を考えると、疎遠でまったく被相続人の世話や面倒をみたことのない法律上の相続人が現れて相続権を主張することはありえますし、「もらえるものはもらいたい」と主張することも多いのではないでしょうか。

しかしこれでは長年最後まで共に生活し、財産の形成に貢献してきた内縁関係にある人が気の毒です。
そのような場合はその相続人に対して不当利得返還請求権(民法703条)を行使して、財産分与を請求し裁判所の判断を仰ぐことも考えられます。

それと行方不明者がいる場合ですが、利害関係人が家庭裁判所へ失踪宣告の申し立てをして認められれば死亡したものと見なされ、結果、相続人不存在の状況が成立します。
ちなみに、普通失踪は音信不通になってから7年以上生死不明、特別失踪は事故などの危難に遭遇してから1年以上生死不明が条件です。

このように特別縁故者に相続財産の分与の道が開かれているわけですが、当然手間と時間とお金がかかります。
やはり、このような事態を避けるためには、財産を適正に継承させる遺贈など明確な「遺言書」の存在が非常に大切だと思います。