自分で遺言書を書いてみる−相続のお勉強


大阪/帝塚山あおき行政書士事務所が解説する相続・遺言基礎知識
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○ 自筆証書遺言

遺言書

一昔前は、日本人の気質として、亡くなった時のことを語ることについてタブー視する風潮があったり、歴史的にみて家督相続(男子年長者である戸主が家を引き継ぐ)が主流でしたから、遺言書の作成は、財産を分割するというよりも精神的継承で利用されるにとどまったいたのかもしれません。

しかし今は、均分相続が法定され、また、生活が豊かになった中、相続における遺言書の役割が大きな意味を持ったことで、年々遺言書を書く人が増えてきています。やはり、財産の多い少ないに関係なく、トラブルのない円滑な財産の継承を望む人が多いからでしょう。

そこでポピュラーになりつつある遺言書の書き方を少しご紹介したいと思います。

【ご注意】
相続は個々に検討を要するものです。よって遺言書の法定書式を守っているからといってそれが有効なものになるかどうかわかりません。ある程度の相続に関する法律知識がないと、かえってトラブルのもとになることがありますので、遺言書を残すにあたり、法律の専門家に相談するかもしくは書いた後に有効性を確認してもらうことをお勧め致します。


自筆証書遺言の書き方



上記は自筆証書遺言です。別のところでも述べましたが全文、本人による自筆でなければなりません。また夫婦などの共同遺言も認められません。

手元のおぼつかない方は、後々遺言書の真偽が問われる可能性があるので公正証書遺言を選択されるほうが賢明だと思います。

遺言を書く用紙に決まりはなくメモ用紙でも構いませんが、筆記具は改ざんなどのトラブルにならないよう鉛筆は避けましょう。


1、タイトル・前文
タイトルや全文はこれが遺言書だとわかるよう「遺言」の文字を入れたものにします。

2、氏名
遺言者の氏名は戸籍上のものを用いるのが通常ですが、明らかにその人と特定できるような芸名やペンネームでも有効です。

3、人の特定
人の特定は同姓同名の可能性を否定する為に、「妻」「長男」などの続柄を記載したり、「住所」や「生年月日」を記入するのもひとつの方法です。

4、財産の特定
必ず財産を特定できる表示を記載しましょう。不動産の場合は登記簿謄本や固定資産税の納税通知書などを確認し、預貯金の場合は銀行名、支店名、預貯金の種類まで明記しましょう。

5、表現方法
それが贈与(遺贈)なのか、相続分の指定なのか、それとも分割方法の指定なのか、混乱を招くような表現方法は止めましょう。例えば、「譲る」「分ける」「渡す」「与える」「取得させる」「所有させる」などの表現は注意が必要です。

6、訂正方法
加除変更の方法も決められています。民法968条2項「・・・遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を附記して特にこれに署名し、且つ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力がない。」

7、遺贈
大阪太郎氏に対する絵画の特定遺贈です。遺贈とは遺言者の意思で誰に対しても行える贈与です。

8、遺言執行者
遺言執行者は相続人全員の代理人とみなされ、遺言内容を実現する為に財産管理や執行実務を行います。推定相続人を執行者として指定してもかまいませんが、利害関係にあるとトラブルになる可能性があります。

また必ず遺言執行者を指定しなければならない場合もあります(非嫡出子の認知や推定相続人の廃除・廃除の取り消しなど)。上記事例の遺贈や寄付行為の場合も指定する必要があり、もし指定が無ければ家庭裁判所に遺言執行者の選任を申し立て決めてもらうことになります。

9、日付
日付は遺言成立の日が明らかにわかるものでなければいけません。西暦でも元号でもかまいませんが「年・月・日」まできちんと書きましょう。

10、住所
住所は必ずしも記載を要求されていませんが、他人と混同されない為にも書く方が良いでしょう。

11、押印
押印の種類に制限が無いので認印や拇印などでもよいのですが、印鑑証明のある実印がトラブル防止の意味で望ましいと思います。また、押印の場所も制限はありませんが、一般的に遺言者署名の末尾(横や下)に印影がはっきりするように押します。

[補 足]
遺言書を封筒にいれて封印することは法定要件ではありませんが、改ざん防止、保管の便宜を考えるなら密封する方が良いでしょう。

遺言は相続開始後、家庭裁判所の検認手続きのなかで開封されることになります。たとえ密封していなくとも検認手続きは必要です。

財産内容や遺言者の心情が変らないということはないかと思います。よってトラブルを防止する意味でも遺言書を定期的に見直すということは大切です。

また、ご自身がお忘れになっている財産が死後に明らかになることもあり得るので、その場合の財産の行方も文面で補っておくことも大切です。

遺言者本人よりも受遺者が先に亡くなっている場合も考えられます。その場合、遺贈の部分は無効です。

[参 考:封筒記載例]

   遺言書を入れる封筒サンプル



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