近過去と半過去の違い

ロマンス語系の言葉は、過去に限らず完了と未完了に分けるようで、 ポイントはあくまでも完了したかどうかだと思います。

ある言語の考え方を別の言語に置き換えて考える場合、完璧に一致 することはないので、やはり学習している言語の考え方を理解する 必要があると思います。

  例えば、「私はイタリア語を3年間勉強しています」という場合、

   英語では現在完了で表します 

     I have learned Italian for 3 years.

   イタリア語だとこれが現在形なんですネ(この形、伊検に出るヨ。 
   特に、da の使い方)。

     Studio l'italiano da tre anni.
要するに、時制まで違うんです。ついでに、英語だと無冠詞、 イタリア語だと定冠詞がつきます。


  I leraned Italian for three years. 

 これのイタリア語は
  
 Ho studiato l'italiano (per) tre anni.     

  です。
  
 日本語訳は「私はイタリア語を3年間勉強しました」
  
  I had learned Italian for 3 years.

 このイタリア語は
 
 Avevo studiato l'italiano (per) tre anni.      

  です。

日本語訳は「(その時点で)私はイタリア語を3年間勉強していました」 あるいは「3年間勉強した後でした」

  I had been learning Italian for 3 years.
 
 このイタリア語は
 
 Studiavo l'italiano da tre anni.      

  です。
 日本語訳は「(そのとき)私はイタリア語を3年間勉強していました」 あるいは「勉強を始めて3年目でした」

[継続の概念について]

 先ほど書きましたように、半過去が表す「継続」という概念は、「動詞の表す時点の 前後にわたって行為がなされている」ということです。

 「3年間」ということになると、それは「時点」ではなく「期間」となります。この 場合の動詞「勉強する」という行為も、その「期間」の前後(始まる前と終わった後) にはなされず、その「期間」の間になされるわけですよね。これはただ「こういうこと があった」という「過去のある一つの事実(近過去で表す)」であり、これが「継続」 という概念と矛盾してくるんです。
 
 ここで、3年間の間「継続」したんじゃないのか、という疑問が上がると思います。 それはですね、3年間の間の、ある一瞬、ある一日などを取り上げてみた場合、その 「時点」では「継続」していた、と考えるんですね。でも3年間全体では単に「過去の 事実」と捕えることになるんです。これがイタリア語の世界です。

 結局これが、巷のイタリア語のクラスでは、「per ...」などの表現は半過去と一緒に は用いない、というような教え方になるようです。


英語の現在進行形と違う場合もたくさんあります。いくつか例を挙げます。
Amavo Maria Callas.(私はマリア・カラスが好きだった)
I liked Maria Callas.

Non lo sapevo.(そんなこと知らなかったなあ)
I didn't know that.

Ieri faceva molto freddo.(昨日はとても寒かった)
It was very cold yesterday.

Si e` innamorata del ragazzo che lavorava part-time dal fioraio.
(彼女は花屋さんでアルバイトをしていたあの男の子が好きになった)
She fell in love with the boy who worked part-time at the flower shop.

大過去の場合は除くとして、フランス語、イタリア語には二つの過去が あって、読み物を読めば、半分ぐらいは半過去で書かれているわけです。

英語の読み物では過去は過去形が使われることが大変多く、過去進行形は 比較的少数です。従って半過去=過去進行形と考えることは好ましくないと 言えます。英語の過去進行形に当たるのは半過去の一部に過ぎないのです。

近過去は一回きりの行為を表現する明解な過去なので、むしろ半過去を 「近過去でない過去」と考えたほうがいいように思います。

ついでに動作が進行中であることを強調する場合にはstare+ジェルンディオが 使われるんでしたね。
Cosa stavi facendo?(あなた何をしてたの)
What were you doing ?

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