第3回: Pater/Mater - Father/Mother

ラテン語の pater/patris は、”父”を意味しますが、

  mony がつくと

   patrimony (遺産)    形容詞は patrimonial 

   paternity (父性)     形容詞は paternal 

  ギリシャ語の archein (支配する)がつくと

   patriarchy (家父長制)  形容詞は patriarchal 
   patriarch   (家父長・家長)

  ラテン語の動詞 caedo (殺す)から派生した接尾語 cide を
  付けると

   patricide (父親殺し) 形容詞は、patricidal 

  それ以外にも、patriot (愛国者)、patron (パトロン)等
  ”父”や”父のイメージ”に関係する単語がありますね。 

同じようにラテン語の mater/matris は、”母”を意味しますが、

  mony がつくと ”母になること”で

   matrimony (結婚)    形容詞は matrimonial 

   maternity (母性)     形容詞は maternal 

  ギリシャ語の archein (支配する)がつくと

   matriarchy (母性支配のシステム)  形容詞は matriarchal 
   matriarch   (女家長、女族長)

  ラテン語の動詞 caedo (殺す)から派生した接尾語 cide を
  付けると

   matricide (母親殺し) 形容詞は、matricidal 

  それ以外にも、alma mater (母校)等
  ”母”や”母のイメージ”に関係する単語がありますね。 

[英語 -> イタリア語]

    patrimony (遺産)- patrimonio 
    patrimonial       - patrimoniale        
    paternity (父性) - paternita`
    paternal          - paterno
    patriarchy (家父長制) -  patriarchato
    patriarchal       - patriarcale
    patriarch   (家父長・家長)- patriarca
    patricide (父親殺し) - patricidio, patricida
    patricidal            - patricida
    patriot (愛国者)  - patriota
    patron (パトロン)- patrono, padrone

    matrimony (結婚)- matrimonio
    matrimonial       - matrimoniale
    maternity (母性) - maternita`
    maternal          - materno
    matriarchy (母性支配のシステム) - matriarchato
    matriarchal       - matriarcale
    matriarch   (母親のような人)- matriarca
    matricide (母親殺し) - matricidio, matricida
    matricidal            - matricida
 
[コメント]

1) anarchy (無政府状態)というのもありますね。anarchist, anarchism も。
    これらは、a (否定の接頭辞:母音の前だと an )がついているわけです。

2) archein(支配する)に対応する名詞形はarche(アルケー)です。
   アルケーと言うとすぐ「始原」という意味の方を思い浮かべてしまいますが、
    「支配」という意味でも使われます。ギリシア史では行政長官archon(アルコン)
     というのが出てきます。archeには「始め」と「支配」の二つの意味があるわけ
     で、「始め」の意味からarcheology(=archeologia)、archaic(=arcaico)などの
     派生語が来ています。

3) patricide , matricide ですが、

   suicide - suicidio, suicida  suicidal - suicida ですから、
   patricide - patricidio, patricida  patricidal - patricida
   matricide - matricidio, matricida  matricidal - matricida

です。

ついでに、

  sui (自分)  - suicide (自殺)
  frater/fratris (兄弟) - fratricide (兄弟殺し)
  soror (姉妹)  - sororicide (姉妹殺し)
  homo (人)  - homicide (虐殺)
  rex/regis (王) - regicide (王殺し)
  uxor (妻) - uxoricide (妻殺し)
  infants/infantris (幼児) - infanticide (幼児殺し)
  genos (民族) - genocide (民族虐殺)

[雑談1]

patriot (愛国者)ですが、熱烈な愛国者は、chauvinist と言います。
ナポレオンの兵士に Nicolas Chauvin にちなんでできたことばで、
熱烈な愛国主義を chauvinism と言います。ついでに、-ism は、
イタリア語では -ismo です。

この chauvinist ですが、フェミニズムが盛んなころ男性優位主義者
のことをフェミニスト(女性にやさしい男といういみではく、女性権
拡張主義者:女性もいる)が male chauvinist pig と呼ばれていました。
「男性優位主義の豚野郎」といところでしょうか ?  どうも悪口には
ブタがつきもののようですね。

以前、S.P.Q.R. = Sono Porci, Questi Romani というのが話題になり
ましたが、どこの国でも同じようですね。

[雑談2]

 英語とイタリア語と語源は同じでも単語が変わるのはおもしろい
 ですね。英語で matrimony はあまり使われませんが、イタリア語
 だと matrimonio ですね。英語は、marriage.

 それから、maternity はマタニティドレスのように聞きなれて
 いますが、paternity はあまりききません :-(

[雑談3]

 英語 -> イタリア語をやると変換規則が見えてきますね。どこかで
 それらをまとめるつもりです。これらを見ても、欧米人が他の欧米
 の言葉を勉強する場合、中級以降は自国語の知識をフルに使えるの
 で有利ですね。我々の場合は、中国語ですかね。それでも、意味が
 変わるのは雑談2と同じですね。

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