新しいTOEFL(TOEFL iBT)について

旧TOEFLからの変更点

  • コミュニケーション重視
    コミュニケーション能力(主にスピーキング)を重視するようになりました
  • 実用的な英語のテスト
    テストの内容が、より英語を使った学校の状況を反映した物になりました

1. TOEFLとは?

1.1 TOEFLの目的
TOEFL (Test of English as a Foreign Language)は、アメリカの教育団体ETS (Educational Testing Service)によって運営されている英語を母国語としない英語学習者を対象とした英語能力検定試験です。TOEFLは、主にアメリカの大学や大学院への留学を希望する人たちの英語能力の目安として入学願書と共に提出が義務づけられているのですが、日本では留学を予定する人以外にも一般的な英語能力を計る目安として学校や企業などで広く利用されています。更に、実用英語検定試験やTOEICと違って世界中で広く知られている検定試験ですので、国際的な多国籍企業や国際組織などでも英語能力の目安として頻繁に利用されています。ETSの資料によれば、全世界で2001年から2002年にかけて700,000人もの人がTOEFLを受験し、80ヶ国以上の4,200にも及ぶ団体や企業がTOEFLを英語能力の判別基準として採用しているそうです。(TOEFL 2003-2004 Information Bulletin, ETS, 2003; Bulletin TOEFL Score User Guide, ETS, 2001)

 また、世界的なレベルでTOEFLを見ると、日本人は世界で最も多くTOEFLを受験している国でもあります。2002-2003年の資料によれば、TOEFLを受験した日本人は83,357人にも達し、アジア圏で留学生が多いとされる韓国(76,541)、台湾(25,443)、インド(ヒンディー語:17,014)を遥かにしのいでいます。(TOEFL Test and Score Data Summary, ETS, 2003) この数字からも、日本ではTOEFLは本来の目的である北アメリカへの留学生を対象とした英語能力試験としてだけでなく、一般的な英語能力検定試験としても広く受け入れられている事がうかがえます。
 

主な受験者(母国語別)と平均点 (参照:Test and Data Score Summary 2002-2003)

Native
Langauge
Number of
Examinees
Listening Structure
/Writig
Reading Total Score
Mean
Chinese 58,772 20 21 21 207
English 10,418 23 25 23 237
French 14,330 22 23 24 228
German 13,867 25 25 25 251
Hindi 17,014 25 26 25 252
Japanese 83,357 18 19 19 186
Korean 76,541 19 21 22 205
Portuguese 8,876 23 22 24 229
Russian 7,859 23 23 23 230
Spanish 37,718 23 22 23 228
Tagalog 9,736 23 23 23 231
Tamil 8,342 25 26 25 251
Telugu 15,752 23 24 24 236
Thai 10,853 19 19 20 197
Turkish 11,658 22 22 22 218
Urdu 8,746 23 24 22 230



1.2 TOEFLで測定される英語力とは?

 前述の通り、TOEFLはアメリカの大学及び大学院で修学するのに十分な英語力があるかを試す試験ですので、その内容はアメリカの留学生生活で直面するであろう教科書の読書やキャンパスでの会話が題材になっています。例えば、TOEFLのリスニングセクションでは、授業の登録や友達とのキャンパス内での会話や、アメリカの大学で実際に行われているような講議を聞いて、どの程度理解ができるかが試されたりします。リーディングセクションでは。アメリカの大学1年生が利用するような教科書が問題文として出されています。テスト形式がコンピューター化されてから必須となったライティングに関しては、学術論文の形式での英語が書けるかどうかが試されます。
 端的に言うと、TOEFLで試される英語力とは(特にコンピューター化されてからのTOEFLでは)非常にアカデミックな英語(大学で利用される英語)です。ですので、TOEFLを受験する為に日常会話やビジネス英語をたくさん勉強してもすぐにはTOEFLの得点向上には結びつかず、効率の良く勉強しているとは言えません。
 具体例を挙げてみると、例えば、日本人が苦手とされるライティングでは、英語の正確さに重点を置く英検などと違って、大学で提出する論文の形式で英語が書くことができるかが試されています。実用英語検定試験の筆記試験は、個々のセンテンスの文法や語彙も細かく採点されます(Analytic Scoring)が、TOEFLのエッセイは、300字のエッセイがわずか2-3分程度で採点されます(Holistic Scoring)。TOEFLエッセイの評価者が重要視するのは、全体的な論文の形式で、文法やスペリングは評価基準の中で最下位に置かれています。すなわち、TOEFLライティングでは文法の誤りやスペリングの間違いは読み手に意味が通じる限りは大きな減点対象にはならないのです。もし、このような評価方法の違いを知らずに、やみくもに勉強していたら、いくら勉強しても目標の点数にはいつまでも達成できないでしょう。それぞれのセクションにあわせた勉強方法を知ることがTOEFL勉強の最初のステップだといえます(詳しくは後述の個々のセクションで解説しています)。
 TOEFLを運営しているETSは、全体の英語力が向上すればTOEFLの点数も上がるという多くの研究成果を発表しています。確かに、総合的な英語力が伸びればTOEFLの点数もあがると思いますが、英語が触れる機会が非常に少ない日本で英語を勉強する事を考えると、無計画に英語を勉強していてはTOEFLの点数にあらわれるような成果はなかなか出ないと思います。

1.3 TOEFLの内容

 TOEFLは1995年から始まったETS(Educational Testing Service)のthe TOEFL 2000 Projectをきっかけに、その内容が改革的に変更されつつあるテストです。最近の大きな変更として、1997年から執り行われている紙ベースのテスト(Paper-Base Testing)からコンピューターを利用したテスト(Computer-Based Testing)への移行が挙げられます。1997年から2000年にかけては、TOEFLのコンピューター化をきっかけにライティングが必須となるなど、TOEFLの受験内容は大きく変更されました。2003年現在では、殆どのTOEFLはコンピューターベースのテストで執り行われいます。ここ数年は、テストの傾向なども大きな変更はありませんでしたが、2003年に北アメリカ以外のコンピューターベースのテスト開催地の多くがが廃止され、代わりに紙ベーステストを再び執り行うと発表されるなど、TOEFLの内容の変更は非常に流動的な状況が続いています。
 これから予定されている変更としては、2004年から試験的にスピーキングを含んだNext Generation TOEFLが順次導入される事が検討されています。現在の予定では、2005年の9月にはNext Generation TOEFLが導入される予定です。(ただし、CBT開催地の閉鎖など導入までに変更を余儀なくされる事態になることも大いにありえますので、最新の情報をETSのウェブサイトなどで確認して下さい)Next Generation TOEFLでは、問題の内容はさらにアカデミックなものになり、且つ、Listening, Speaking, Reading, and Writing の4技能をあわせた総合的なコミュニカティブな英語能力が試されるとされています。2005年までにTOEFLを受験する人も、Next Generation TOEFLの導入にあわせて、現行のTOEFLの内容が変更されていく事も大いにありえますので、いつ頃受験するのかなど事前に計画をたてなければなりません。
 ここで紹介しているテスト内容は、2003年の時点で最も広く行われているCBTの内容ですが、上記の通り、中にはPBTを受験したり、あるいはNext Generation TOEFLを受験することになる人もいる事を忘れないで下さい。更に、多くの大学がNext Generation TOEFLの導入に備えて、CBTでは必須では無いTSE(Test of Spoken Language)をTOEFLと共に提出するように義務付け始めている様です。せっかくCBTを受験する事を目標にしてきたのに、実際に大学に願書を提出する際に、違った形式のTOEFLを受験しなければならない事になると総合得点が大幅に減ってしまうことも大いにありえますので、注意しましょう。
 Next Generation TOEFLに関して、2003年5月現時点での情報では、2005年の秋には最初のテストが執り行われる予定となっています。依然として予定は流動的なようですが、2004年の7月にはPreliminary Textがオンラインで受験できる予定との事です。また、Test of Spoken Language (TSE)が必須となり、Structureの文法の部分がなくなる事になるようです。

TOEFLの各テスト形式一覧表
PBT
CBT
The Next Generation
TOEFL
得点
310-677点
20-300点
各4技能で0-25点
CBTとの比較点数
Listening
50問
35分
30-49問
40-60分
会話2文、レクチャー4文
Structure
(Grammar)
40問
25分
20-25問
15-20分
廃止
Reading
50問
55分
4-5文/ 44-55問
70-90分
3文、選択式の解答方法以外に、
筆記での解答方式もあり
Writing
1題(総合得点には含まず)
1題
2題
Speaking
無し
無し
6題(speaking, listening&speaking, reading &
speakingが各2題)
Note Taking
Writing以外は
不可
Writing以外は
不可
Reading以外では推奨
CAT
紙ベースのため不可
Reading以外では採用
コンピューターベースだが不採用


2005年9月以降は、これまでのCBTに代わりThe Next Generation TOEFLが実施されます。ETSのホームページで3月に公開されたThe Next Generation TOEFLの情報は以下の通りです。この情報はETSのホームページ<http://www.ets.org/toefl/tour/start.swf>で見られます。
形式
試される技能など
得点
各4技能で0-25点
総合得点
CBTとの比較点数
-
Listening
Two Conversations
Four Lectures
  • 試される技能は、Understanding main ideas, supporting details, the purpose of a speaker, and the attitude of a speakerなど
  • 解答は、multiple-choiceや表の穴埋め形式
  • 現実に近い形でのリスニング(a variety of accentsなど)
Structure
(Grammar)
廃止
-
Reading
3 passages
(650-750 words)
  • 解答は、Multiple-choice, Click on a square, Drag the answers形式
  • glossaryやanswer reviewなどの新しい機能が追加
Writing
2題
  • 試される技能は、Understanding the materials, making connections, clarity, accuracy, and organizationなど
  • Integrated taskは短いlectureを聞いたり、passageを読んだりした後で、それに関するessayを書く
  • Independent taskは従来のTWE形式に似たもので、知識や経験などを生かしてessayを書く
Speaking
6題
  • 試される技能は、Overrall ability to communicate, clarity, coherency, and understanding the materialsなど
  • Speakingのみが2題
  • Listening&Speaking, Reading & SpeakingなどのIntegrated tasksが各2題の計4題
  • 答える前に短い準備時間がある
Note Taking
Reading以外では推奨
Reading以外では推奨
CAT
コンピューターベースだが不採用
コンピューターベースだが不採用

 
1.4 TOEFL: Listening Section
 リスニングは、北アメリカで話される英語を聞き取る能力が試されます。リスニングセクションでは話し言葉(口語表現など)に重点が置かれ、単語やイディオムは口語表現特有のものが多くでてきます。リスニングで必要な技能は、Comprehension of main ideas(主題の把握)、the order of a process(物事の順序)、supporting ideas(具体例の把握)、important details(重要な詳細の把握)、inference(類推)、the ability to categorize topic and objects(トピックの分類)など です。

1.5 CBT TOEFL: Reading Section
 リーディングセクションでは、アメリカの大学で利用される教科書の一部などが問題として出されます。一定の学術分野の人に有利にならないように、出題分野は人文科学、科学、芸術など様々な分野から選ばれています。
 リーディングセクションで必要とされる技能は、comprehension of the main ideas(主題の把握)、inferences(類推)、factual information(情報の把握)、pronoun referents(代名詞)、vocabulary (direct meaning, synonym, antonym) (単語、同意語、反意語)などです。

1.6 CBT TOEFL: Writing Section
 ライティング(エッセイ)は、CBTになって新しく必須のセクションとなりました。ライティングでは、アカデミックなエッセイ(小論文)が英語で書けるかどうかが試されます。ライティングセクションで最も注意しなければならない事は、試されているのは英語を書く能力だけでなく、大学で実際に提出するような論文を書く方法(rethoric)を知っているかどうかが試されているということです。例え、文法的に素晴らしい英語でも、英語の論文の形式を踏まえていないと高得点には結びつきません。

 

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