8月2日 ♠ 3日目

今日が終わったらようやく折り返し地点です。FISMは長い。

本日のアトリウム(中央広場)には新しいブースが3つ出来ていました。次回のFISM開催地の誘致合戦です。
現在、2009年FISMの開催地候補となっているのは、北京(中国)、グラナダ(スペイン)、ウィーン(オーストリア)の三箇所。

写真は順に、北京、グラナダ、ウィーンのブースの模様。




それぞれ、自国をアピールして宣伝活動をしています。グラナダのブースでは、シェリー酒つぎのデモンストレーション。 拍手してたら、シェリーを一杯くれました。うん、美味しい。



次回開催国は、大会5日目に行われるFISM役員会議で決定します。おそらく、最終日には決定国に関するニュースペーパーが配られるでしょう。
やっぱりFISMはヨーロッパかな、という気がするので、グラナダかウィーンになるといいなあ。
開催国が発表されたらご報告します。

さて、今日はほぼ全日コンテストを観戦してから、夜のステージガラショーを見に行きました。
レクチャーも聞きに行きたいのですが、コンテストと丸かぶりの時間帯なので。やっぱりFISMはコンテストかな、とこちらを選択。

ステージコンテスト、今日は面白い人がたくさんいました。
私がいいな、と思ったのはSITTAH(オランダ)のイリュージョン。男のチームと女のチームの戦いを表現しているのかな?動作がきびきびしていて、ストーリー性のあるとても格好いいステージでした。
PILOU(フランス)のカードマニュピレーションもよかった。うまいし、演技者の周りにある世界観がとても観客に伝わってきます。
JEROME HELFENSTEIN(フランス)の映像と影絵を融合させたアクトも素敵でした。 日本のKYOKOさん、荒井稔さんも出場。KYOKOさんは美しい動きで観客を魅了しました。

クロースアップでは、DAVID STONE(フランス)が大うけ。今回はビッグネームが何人もエントリーしています。
でも、やっぱりコンテストというのは魔物が巣食う場所なんですね、えっ?と思う人が大失敗してしまう場面を今日は何度も見ました。

夜のステージガラショーのタイトルは「The Best of the Best!」。
出演者は、Jeff McBride、Vik & Fabrini、Marc Metral、The Evasons、Jerome Murat、Anthony Gatto、Marko Karvo、Peter Marvey。
どの人もすごかったけれど、満場のスタンディングオベーションを取ってショーのハイライトになったのは、ジャグラーのAnthony Gattoでした。超絶テクニックのジャグラーです。すごい。

MCはHelgetone。ユーモアたっぷりの素敵な司会でした。つなぎのマジックも楽しい。旅客機の安全案内を模して、何人ものマジシャンが客席の通路に立ち、Helgetoneのアナウンスに合わせて一斉に同じロープマジックを始めたのには大笑いしました。

昨日とは違って、とてもいい気持ちで会場を去ることができました。

明日のコンテストには、日本の藤本さん、武藤桂子さんが出場します。

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8月3日 ♠ 4日目

FISMのガラショーは、何回かに分けて行われます。参加者が多くて全員一度に入りきらないためです。
さすがに3000人収容の劇場はそうそうありません。

私はおとといクロースアップ、昨日ステージを見たので、今日の夜は予定なし。昼間のコンテスト観戦だけです。今日はクロースアップコンテスト最終日。
他にも、ホアン・タマリッツのワンマンショーがほぼ毎日あったりしてすごく見たいのですが、部屋が小さくて連日満席。 相当気合を入れて、席取りした人だけが見られるようです。残念。

そうそう、昨日クロースアップガラショーを見た人の話では、あの楽団付き女性マジシャンはオープニングに変更されていたそうです。
それだったら、続く素晴らしいマジシャンの演技であの印象を打ち消されますね。そのオーダーで正解。

でも、やっぱり参加者の語り草になってました。

下はステージコンテスト会場にて、連日おつかれさまの照明・音響クルーの皆さん。今回のスタッフは本当にきっちりした仕事してます。
この方々のおかげで、毎日のショーやコンテストがスムーズに進行されていくのです。ありがとう!




こちらもおつかれさまの、審査員の皆さん。クロースアップコンテスト会場にて。




FISMでは、毎日の予定や出来事をニュースペーパーの形で配っています。「The FISM DAILY」というこのニュースに、山上兄弟のことが写真入りで掲載されました。
タイトルは「Charming young Yamagami Brothers」。こちらでも人気者です。



「The FISM DAILY」は、FISM公式ページからPDFファイルでダウンロードできます。
http://www.fism.com/
メニューの下から2番目が「FISM DAILY NEWS」です。

さて、会場内の展示をもうひとつご紹介しましょう。

展示コーナーの隅に、ひっそりと置かれた古い道具と写真があります。
何の説明書きもありませんが、わかる人にはすぐわかります。



スウェーデンの偉大なマジシャン、トッパー・マーチンの遺品です。
亡くなられたのは2年ほど前だったでしょうか。もし存命だったなら、今回のFISMでは大活躍をされていたはずです。
人だかりができる展示ではありませんが、知っている人は足を止めて見入っていました。「The FISM DAILY」にも展示場所が紹介されたので、探して見にくる人もいます。
偉大なるマジシャンの魂に、合掌。

明日はステージコンテスト最終日。日本からは、瞳ナナさん、里一磨さん、岡井泰彦さん、ブラボー中谷さんが出場します。

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8月4日 ♠ 5日目

FISMも残り2日、だんだんとイベントが少なくなってきて、終わりの近い寂しさを感じ始めました。

ステージコンテスト最終日の今日は、凄い演技が目白押し!
そろそろ疲れてきて観戦中に眠くなりがちな頃なのですが、目の離せない演技が続いて寝られませんでした。

その中で、日本勢も大活躍。瞳ナナさんは和の艶やかさ、里一磨さんはアーティスティックな表現、岡井泰彦さんはマニュピレーションの繊細さ、ブラボー中谷さんは抱腹絶倒の笑いで、それぞれ観客を惹きつけました。
特に、ブラボー中谷さんの演技には客席全体が大爆笑。演技終了後、立ち上がって拍手をする人も見られました。

残る本日の大きな行事は、夜のバンケット&ショー。参加者全員による大設宴です。
ドレスコードがあるため、みんな思い思いに着飾って出席しました。日本の女性陣には着物姿の人も見受けられます。

FISMのバンケットというと、たいがいバッフェ形式になっていて、「食べ物が少ない」「座るところがない」などの問題が発生するのですが、今回はなんと、「全員着席してコースメニュー」というバンケット。
3000人規模が着席できるのもすごいし、この人数にコースをサーブできるのもすごい。
しかも、美味しかった。前菜、主食、デザート、という簡単なコースでしたが、とても美味しいメニューでした。お腹があまりすいてなくて、そんなに食べられなかったのが残念。
こんなことなら、お腹をすかせてくればよかった。

さて、このバンケットの中で、重大な発表が3つありました。
まずは、SPECIAL AWARD(FISM特別賞)の発表。
これは今回から始まった表彰で、世界のマジックに対して価値ある功績を残した人に贈られる賞です。前もってノミネートされた人たちの中から選ばれます。

CREATIVITY & VISION AWARD(発明賞)は、
Gaetan Bloom(France), Lubor Fiedler(Czechoslovakia), Finn Jon(Norway), Dr. Sawa(Japan), Jim Steinmeyer(US) の5名がノミネート。日本の沢浩さんの名前も見られます。
受賞したのは、Gaetan Bloom(France)。

以下、ノミネートと受賞者を列記します。

HISTORY & RESEARCH AWARD(歴史研究賞)
ノミネート:Vanni Bossi(Italy), Magic Christian(Austria), Eddie Dawes(England), Christian Fechner(France), Bill Kalush(US)
受賞:Eddie Dawes(England)

THEORY & PHILOSOPHY AWARD(理論・哲学賞)
ノミネート:Eugene Burger(US), Rene Lavand(Argentina), Eberhard Riese(Germany), Juan Tamariz(Spain), Tommy Wonder(Holland)
受賞:Tommy Wonder(Holland)

授賞式と、バンケット会場の模様です。ちょっと暗くてわかりにくいかな?




2つめの重大発表。FISM2006のFINALIST(決勝出場者)が決定しました。
クロースアップ・ステージそれぞれの上位者でグランプリを争います。

 クロースアップ
  DAVID STONE (France)
  MARTIN EISELE, (Germany)
  HELDER GUIMARAES (Portugal)
  RICK MERRILL (USA)
  SHAWN FARQUHAR (Canada)

 ステージ
  DAI BINCHUN (China)
  DAVID SOUSA (Porugal)
  GASTON (Germany)
  EUN GYEOL LEE (Rep. of Korea)
  PILOU (France)
  SITTAH (Netherlands)


残念ながら日本勢はファイナルには残りませんでした。ただ、各カテゴリーの入賞者(1位、2位、3位)はファイナル決定の後に発表になりますので、そちらの可能性もまだあります。

各国の強豪が雄を決する明日のファイナル決定戦、見ごたえがありそうです。


そして最後の重大発表は、FISM次回開催地の決定。

グラナダ(スペイン)、ウィーン(オーストリア)、北京(中国)の3つの候補地から、FISM本部の会議によって決定したのは、なんと北京
3年後、FISMが再びアジアにやってきます。
詳しい内容はFISM公式ページをご参照ください。
http://www.fism.com/

バンケットショーのオープニングは、日本の峯村健二!ざわついていた会場内の観客の意識を一気にステージに集中させるテンポよいマニュピレーション、さすがです。
発明王 Gaetan Bloomの摩訶不思議な現象、Ardan Jamesの軽快なマイム&マジック。Frank Wilsonの変幻自在な音楽演奏も素晴らしい、とてもよいショーでした。

明日はいよいよ最終日。世界のマジックチャンピオンが決定します。

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8月5日 ♠ 6日目

グランプリと各カテゴリーの受賞者が決定しました。

GRAND PRIX STAGE :Pilou(France)
GRAND PRIX CLOSE-UP :Rick Merrill(USA)

MANUPILATION
1位:Dai Binchun(China)
2位:David Soysa(Portugal)
3位:Arther Trace(USA)

GENERAL MAGIC
1位:Eun Gyeol Lee(Rep.of Korea)
2位:Die Zauderer(Germany)
3位:Dion(Netherlands)

MICRO MAGIC
1位:Martin Eisele(Germany)
2位:Shawn Farquher(Canada)
3位:David Stone(France)

CLOSE-UP CARD
1位:Helder Guimaraes(Portugal)
2位:Lodewijk de Widt(Netherlands)
3位:Kiko(Spain)

PARLOUR MAGIC
1位:Gaston(Germany)
2位:Shawn Farquher(Canada)
3位:Julia Guilhen(France)

STAGE ILLUSIONS
1位:Sittah(Netherlands)
2位:Hugo Valenzuela(Argentina)
3位:Marc&Alex(Germany)

MENTALISM
1位:該当なし
2位(タイ):
 Timothy Trust & Julie(Germany)
 Juan Ordeix(Argentina)
3位(タイ):
 Robert & Emiel(Netherlands)
 Jean Thomas Loewe(Germany)

MOST ORIGINAL ACT
 STAGE:Hugo Valenzuela(Argentina)
 CLOSE UP:Rocco(USA)

COMEDY PRESENTATION
 Die Zauderer(Germany)
 Mikael Szanyiel(France)
 Rick Merrill(USA)
 Stonkel(Germany)

INVENTIONS
 Mathieu Bich(France)
 Pierric(Switzerland)
 Ross Mickael et Bethy(France)
 Cesaral Magic(Spain)

SPECIAL AWARDS
 LAS VEGAS CONTACT(ラスベガスのショーに出演)
  :Eun Gyeol Lee
 FRANCE/MONACO CONTACT(フランスとモナコに出演)
  :Sittah
 LONDON CONTACT(ロンドンに出演)
  :Mikael Szanyeil
 SWEDISH MAGIC CIRCLE(スウェーデンマジックサークル賞)
  :Pilou / Rick Merrill


グランプリ受賞者の写真と詳細はFISM公式ページにて。
http://www.fism.com/

各受賞者が決定して、大盛況のうちに閉幕のFISM。のはずでしたが。
……かつて、これほどブーイングが飛び交った授賞式があったでしょうか。

あまりネガティブなことは書くまいと思っていたのですが、ちょっとどうかな、と思うので書きますね。

まず、受賞者の演技はどれも素晴らしかったことを前置きしておきます。
ただ、いくつかの点で進行などに問題があった。

今日のスケジュールは、15:00からクロースアップの決勝戦&授賞式、19:30からステージの決勝戦&授賞式になっています。休憩を挟んでふたつのショーがある形ですね。
まず、クロースアップの決勝戦。ファイナリスト5人が次々と演技を披露します。
どの演技もとても素晴らしかった。

そして、グランプリとカードマジック・ミクロマジックの受賞者が発表される時になりました。
みんなの期待が集まる中、Rick Merrillのグランプリ受賞が発表され、会場の興奮は最高潮に!
ところが、なぜかインカムをつけたスタッフが現れ、MCとファイナリストに何事かを指示、Rick Merrillのトロフィーを取り上げて袖に去っていきました。
しばらくした後、MCがファイナリスト5人の名前を読み上げ、Rick Merrillのグランプリを再び発表、トロフィーを渡しました。

実はテレビ局の撮影が入っていて、先の授賞場面で(テレビ局側の)音声トラブルがあったための仕切りなおしだったのです。せっかく盛り上がっていた会場の空気が、ちょっとしょぼんとした感じに。

そこまでならまだ許せたのですが、今度はもっと前のFISM会長登場シーンから、テレビ撮影のためのやり直しをする始末。これには観客も怒ってブーイング。
……これじゃ、この映像は使えないよね。

その後、カードマジック部門とミクロマジック部門の受賞者が発表されたのですが、受賞者がステージに上がるのを待ちながらの発表ではなく、すごい早口で部門ごとにまとめて発表。
受賞者ひとりひとりに拍手を送りたかった観客の気持ちがまるで無視された授賞式になってしまいました。

食事タイムを兼ねた長めの休憩後、ステージ部門ファイナリストと授賞式へ。
ここでも、ファイナリスト6人の演技はみんな素晴らしかったことをお伝えしておきます。

しかし、テレビ用の演出なのでしょうか。やたらショーアップされた派手な照明で、客席からは少々見にくいステージになっていました。ファイナリストの演技はマニュピレーションが多かったので、もっと落ち着いた照明にして、じっくり見せて欲しかった。

また、撮影用のクレーンが観客席の上を常に動いていて、邪魔なことこの上ない。
受賞者の演技や会場の観客よりも撮影優先、の態度に気分を害した人も多くいたのではないでしょうか。

その証拠に、授賞式のプレゼンターとして会長エスウィン氏が登場したとき、あちこちでブーイングが起こりました。これはちょっとエスウィンさんが可哀想だったな。

ステージグランプリとしてPilouが表彰された後、各部門の受賞者発表へ。
……でもね、上位6人がわかっていて、グランプリも発表されてしまったわけなので、各部門の1位もおのずと見当がつくというもので。
授賞者が発表される中、「次は誰の名前が呼ばれるんだろう?」とどきどきしながら待つ緊張感がまったくない発表になってしまいました。

そうだよ、各部門賞を発表してから、最後にグランプリを発表してもよかったんじゃない。これは完全に構成ミス。なんだか盛り上がりに欠ける表彰式でした。

Pilouはとてもよかったし、3日目の日記にも書いたように私も大好きな演技ですが、「グランプリ」と言われるとちょっと戸惑ってしまうかも。でも、点数的に勝っていたということでしょう。

写真は受賞者発表の後の会長挨拶。これではわからないと思いますが、表彰台にいるのがグランプリではなくて最後に発表されたマニュピレーション部門の人たちという、妙な絵になっているのです。




また、ジェネラル部門の1位・3位がマニュピレーション部門の挑戦者から出たのも謎。審査員の判断でカテゴリーチェンジができるようになった、とは聞いていたのですが、実際に目にしてみるとすっきりしない気持ちになります。
これだったら、エントリー時にカテゴリー指定する必要ないんじゃないかなあ。

とはいえ、授賞したみなさん、本当におめでとうございます。

これでFISM2006すべてのプログラムが終了しました。なんとも不完全燃焼の授賞式を後にして、ぞろぞろと帰っていく参加者たち。
なんだか気分が盛り上がらないなあ、と思ってはたと気づきました。

いつものFISMでは、授賞式のあとにバンケットと受賞演技披露のショーがあったんだ。

参加者みんなで、終わりゆく祭を惜しみながら語ったり、受賞者にお祝いの声をかけたりできる、あの場所がないんだ。
やっぱり、バンケットは授賞式の後のほうがいい。このまま終わるのは寂しいもの。

今回のFISMではコンテストの方法やパブリックに対する広報など、さまざまな改革がありました。
FISMは変わろうとしています。それは、会長エスウィン氏が各国に送った文章にも書かれていることです。
みんなが幸せになる方向に変わって欲しい、と願いながら会場を後にし、FISM2006は幕を閉じました。


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♠ FISM2006を振り返って

授賞式の盛り上がりは今ひとつになってしまいましたが、FISM2006全体はとても充実したコンベンションでした。

特筆すべきは大会全体の進行が非常にきちんとしていたこと。これは運営実務に携わった地元スウェーデンマジック団体の頑張りのたまものです。
2800人という、過去最多の参加者を大きなトラブルもなくさばききったことは驚異的です。こういう裏の仕事というのは何か問題が起こると批判されますが、何事もなく進行してしまうとまったく気に留められません。でも実はそれこそが素晴らしくいい仕事なのです。事務局に大きな拍手を。


そして、FISMのメインイベントであるコンテストの進行もすごくよかった。今回、ステージコンテスタントのリハーサルに立ち会う機会があり、スタッフの仕事ぶりに感激してきました。
FISMでは、ステージコンテスト100組、クロースアップコンテスト50組、合計150組という桁違いの規模でコンテストが行われます。
しかも、ほとんどの演技はスタッフも初めて見るものばかり。FISMのコンテスト進行がいかに大変な仕事であるかご想像ください。

コンテスタントは事前に演技のCUE SHEET(進行表)を提出しています。リハーサルはその進行表を見ながら行われるのですが、150組分もあるわけです、全員分を読んで把握しておくことはまず難しい。これまでのFISMでも、大概は直前に個々のスタッフに配られ、読みながら進められていました。

ところが!今回のスタッフは事前に全部読み、各コンテスタントの照明・音響・進行内容を把握した上でリハーサルに臨んでいるのです。
これには、過去のFISM コンテスタントとしてびっくり仰天。私がチャレンジしたときのポルトガルスタッフもいい仕事してましたが、ここまでの事前準備はしていなかった。

そして、各コンテスタントのリハーサル割り当て時間は「10分」と厳しく決められており、時計できっちり測って「あと2分」とカウントしています。
かつてのFISMではリハーサルの割り当て時間が決められておらず、「前の人のリハーサルが終わらなくて翌日にまわされた」などの話もよく聞いたのですが(「ジュリアナ・チェンの2時間リハーサル伝説」ってのもあったっけ)、前回のオランダ大会から時間制限が設けられ、平等かつスムーズな進行になってきました。

今回はそこからさらに進歩して、スタッフがあらかじめ進行をばっちり把握した上での打ち合わせ・リハーサル。
ここまでやってもらって制限時間内に自分の意思を伝えられなかったら、これはもうコンテスタント自身の責任です。

実はコンテスタントでひとり、要領を得ず指示を完全に伝えられないまま時間を使い切ってしまい、終わった後で不満を漏らしていた人がいたのですが、筋違いもいいところ。みんな平等に10分でやっているのですから。
そもそもコンテストの進行はスタッフに伝えやすいシンプルなものにしておかないと、自分自身がリスクを負うことになります。
(その人は結局、翌日早朝に特別に時間をもらい、追加リハーサルを行って事なきを得ました。みんなに早起きさせて多大な迷惑をかけたことを深く反省してほしいものです。)

今回のスタッフの優秀さもさることながら、ポルトガル大会、オランダ大会、スウェーデン大会と見てきて、コンテスト進行がどんどん進化していることがわかります。FISMの良き変化です。


コンテスト以外の大会プログラム内容も充実していました。ガラショーについては連日お伝えしてきましたが、それ以外のレクチャー、特別レクチャー、ワンマンショーなどもたくさんありました。私はコンテストをずっと観ていたため、結局レクチャーには行けなかったのですが、参加した人の話を聞くととても良い内容のものが多かったようです。

そうそう、連日満席であきらめていたタマリッツのワンマンショー、最終日に広い部屋での追加公演があり、観ることがかないました。
もう感動!夢のように摩訶不思議なカードマジックでした。この人、やっぱり魔法使いだ。
人気のショーの追加公演をすかさず決定してくれた、運営事務局に感謝。参加者の気持ちを考えてくれてます。うれしいですね。

こうして思い返してみると、開期中は毎日本当に充実したコンベンションでした。最終日にああいう形でミソがついてしまったことは大変に残念。印象が悪かったのは授賞式だけでしたからね。
また、開期前では申し込んだコンテスタントが半分近く出場できないという、過去例をみない事態もありました。
これらは今回の事務局というより、おそらくFISM本部の問題。

世界レベルが並ぶコンテスト演技の中で、ときどき「なんじゃこりゃ?」と思うような演技があります。玉石混交なのもコンテスタントの多いFISMならではで、後々の笑い話になるのですが、今回の場合は「この人が出られて、なんで同じ国のあの人が出られないんだ?」などと考えてしまい、素直に笑えなかった。

コンテスト結果の順位についていろいろ言う人もいます。特にマニュピレーション部門について憶測が飛び交っていますが、憶測は所詮憶測でしかありません。これはもう審査員を信じるしかないと思います。


次回開催国は北京。良い大会になることを願います。
3年後、世界のマジック仲間で素敵な夏を過ごせますように。

(8月7日、帰国の機内にて)


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