美術ミニ事典

た〜は


仏像の作り方

銅像(金銅仏)

 銅像とは、柔らかく比較的低温で溶ける銅とさびにくい錫の合金である青銅でつくる
仏像で、表面に金を施せば金銅仏である。

法隆寺の夢違観音(奈良時代)や東大寺の大仏−廬遮那仏(奈良時代)が代表的実例
として有名である。 

 <蝋型技法の作り方>

@鉄の棒を芯にして粘土のかたまりをかぶせ、雄型(仏像の内側の型)をつくる。

A粘土のかたまりの表面に熱して溶けた蝋を塗りかぶせ、冷やして固め、そこに仏像の
 形を彫刻する。

B蝋の像の外側に土を塗り固め、雌型(仏像の外側の型)を作る。そして、雄型、雌型 
 の土が乾くと全体を焼く。雄型、雌型は土器のように硬くなり、蝋は溶けて空洞がで
 きる。

C空洞に熱して溶かした青銅を流し込み、冷やし固める。

D雄型、雌型をはずすと蝋に彫刻した像が現れ、この銅像に金箔などを施せば金銅仏の
 完成である。

■塑造

土や藁を芯にして粘土を塗り固めて作って仏像の技法

@心木を組む

A藁縄や麻布を心木全体にまく

B荒土で原型を作る

C粒子の細かい土に籾を混ぜ全体の形を作る

D細かい粒子の粘土に雲母を混ぜたもので細部を作る

E白土を全体に塗り彩色する

 代表的な塑像としては、東大寺戒壇院の四天王像(奈良時代)や法隆寺五重塔の塑像
 群像(奈良時代)などがある。

■乾漆造

 <脱活乾漆造>

 主に天平時代(奈良時代)に流行した技法

@塑像と同じように木心や木組みに土を塗り固め、大まかな仏像の形を作る

A塑像の上から漆で麻布を塗り固め、乾燥させる工程を十数回繰り返す。

B内部の塑像を抜き取り、木組みの補強材を入れ、彩色や金箔を施す。

東大寺法華堂の不空羂索観音立像(奈良時代)や興福寺の八部衆像(奈良時代)が
 活乾漆造の仏像である。

 <木心乾漆造>

 天平から平安にかけて流行

@木を彫刻して大まかな原型をつくる。

Aその上におが屑状の木屑を塗り合わせたもの(木屎漆)を盛り上げて細部の形を作る

B乾燥させた像に彩色と金箔を施して完成

 唐招提寺の薬師如来立像(奈良時代)、千手観音立像(奈良時代)が木心乾漆でつく
 られている。

■木造

  平安時代以降、良質の木に恵まれた我が国では、和様と呼ばれる日本独自の木造に
 よる仏像が盛んに造られた。

 <一木造>

 文字通り一本の材木から彫りだす技法であるが、一般的に頭と胴が一本の材でできて
 いれば腕などが別の材であっても一木造という。

  乾燥によるひび割れを防ぐため、頭や胴の内部に内刳(うちぐ)りと呼ばれる空洞
 を背後につくり、板材でふさぐ。

 法隆寺の救世観音像(飛鳥時代)や広隆寺の弥勒菩薩像(飛鳥時代)が一木造の仏像
 である。

 <寄木造>

  頭と胴が二材以上、正面左右を二材、あるいは前後左右で四材としたり、さらに膝
 を別材にするなど、多数の部材に分割してつくる技法。

 平等院鳳凰堂の阿弥陀如来像が仏師定朝による初めての寄木造であるといわれている。
 東大寺南大門の金剛力士像(鎌倉時代)も寄木造である。