焼き物の一般知識

 焼き物の教材は、学習指導要領の「2 各学年にわたる内容の取扱と指導上の留意点」(2)版に表す経験や土を焼成して表す経験ができるようにする事項に、焼成に適した粘土による表現は、各学年の「A表現」(2)の内容に含まれ、そこで児童がいろいろな造形活動を体験することである、と記されており、焼成教材を扱う学年は特に示されてはいない。
 しかし第5・6学年に「簡単な絵付けをしたり板状の粘土の上に形を付け素焼きするなど、児童が工夫し楽しく表現することが大切である。」 と「焼成する経験」について具体的な内容が記させており、
それ以前の学年においては土粘土の作品を保存するための焼成という意味合いが強いようである

 焼き物の制作工程
1 土練り
 土もみともいう。その目的は扱いやすさの柔らかさにするとともに、土の中に含まれている空気を抜き、また、土をたたくことによって土と土をくっつきやすくすることである。
 粘土の硬さは、指で触って指紋が付くくらいだとか、耳たぶぐらいの柔らかさが目安だとかと一般的にいわれている。
2 成形
@手びねり…粘土のかたまりを手でつまみ出したり、ひねり出したりして形を作る。
Aひもづくり…ひも状にした粘土を順に巻き上げていく方法と、ひもを輪にして積み重ねていく方法がある。共通していえることは、底の部分を厚めに作るということと、ヘラなどでたたきながら形を整えていくのがコツである。
B板づくり…たたら板とのし棒や細い針金を使って粘土の板を作り、その板を形に切って組み立て、どべ(土のり)で接合する。箱ものや皿などに適している。
Cろくろ…設備上でも技術的にも小学生には無理ではあるが、焼き物の成形作業として基本的な道具であることを教えることは大切である
3 乾燥
 成形した作品は20日ほど陰干しして乾燥させる。
4 素焼き
@窯詰めは下積みの作品に極度の重量のかからない限り、積み重ねてもよいが、熱が作品の一つ一つに平均に伝わるよう炎の通りがよいようにすることが大切である。
A少しずつ温度を上げていき、300℃以下で3時間程あぶった後、700℃ぐらいで5時間ほど焼く。
B素焼きは焼き物用の窯で焼かないで、野焼きという方法で地面の上でたき火の中に入れて長時間焼いてもできる。
5 施釉
@釉薬は外観から分類すると、透明釉、不透明釉、つや消し釉、色釉、結晶釉、亀裂釉、窯変釉、油滴釉などになる。化学組成的には、ガラスを形成する酸化物が基本である。施釉は作品の表面を一枚のガラスで被い、水分の浸透を防ぐ役割もある。
A施釉の方法は、浸し掛け、吹きかけ、流し掛け、塗り掛けなどがあるが、いずれのl方法でも均一にぬることが大切である。
6 焼成
◆焼き物の種類によって焼成温度が異なる
 土器…550℃〜900℃   縄文土器・弥生土器
 素焼…600℃〜800℃
 楽焼…700℃〜850℃
 b器…1000℃〜1300℃ 須恵器・備前焼・常滑焼
 陶器…1100℃〜1300℃ 薩摩焼・粟田焼・志野・織部
 磁器…1200℃〜1500℃ 清水焼・有田焼・九谷焼・瀬戸磁器
◆焼き物の種類の特徴
 磁器…素地が白く焼き締まってガラス化し、吸水性がない。磁器の原料は陶石といい
     石英や長石を原料とする。しかし磁器づくりにも陶土を混入することもある。
 陶器…主に陶土を使ってつくるものを陶器と呼ぶ。その粘土質原料に石英、長石等を加
      えて成形。素地は多孔質で若干の吸水性がある。
 b器…無釉薬で焼き締める。焼成色が濃く褐色、または暗褐色焼き締めのものが多
      く不透明。気孔性のない点で陶器と区別する。
 楽焼…素焼きした器に弱い釉薬をかけ、急熱急冷で焼成する。質は粗いが温かさが
     ある。吸水性があり多孔質、軟陶である。
 土器…釉薬を用いない素焼きの器物。素地が焼き締まっていないため吸水性が
    大きい。窯を使わずに地面に穴を掘って作品を積み、その上に薪や木の
    葉などを積み重ねて焼く焼き方を野焼きという。
  焼き物の粘土や道具

◆粘土
 地質学では粘土と呼ばれる粒子の大きさは、0.004o以下という定義されている。
 焼き物に使われる陶土の条件は
@粘性と可塑性のあること
A耐火性があること 
B膨張収縮が小さく、変形しないこと
C不純物が少ないこと
などである。
上記の条件を備えた粘土として次の粘土がある
@蛙目(がいろめ)粘土…花崗岩が変質してできた粘土で不純物が少ない。名前は石英粒子が水に浸すと蛙の目のように光るからである
Aカオリン…長石の結晶体が風化したもの。中国の高嶺山から産出されたのが名前の由来。日本では天草石ともいう。
B木節(きぶし)粘土…長い間水中で沈積た木にカオリンが吸収され、粘土化したもの。可塑性に優れている。

◆道具
成形用具
○手回しろくろ…ターンテーブルの四隅に突き穴があり、これを長さ30センチくらいの突き棒を入れて右へ回転させる手動式。
○蹴りろくろ…ターンテーブルの下にもう一枚の円盤がついていて、その円盤の部分を足で蹴って回転させる。
○電気ろくろ…モーターでターンテーブルを回転させる。速度は自由に変えられる。
○絵付ろくろ…絵付けをするときや線描きをするときに使用する。てび練り成形のときは、このろくろがあると便利。
○へら・こて類…学校では竹べらが多く用いられている。しゃもじやスプーンなども役立つ。身の回りのものを工夫して使いたい。
○きり糸…ろくろを使い終わった後作品を切り離すために使うが、粘土を切り分けるときなどにも便利である。
○とんぼ…湯飲みや皿などの口径や高さを揃えるために用いる定規
○たたら板…粘土の板を作るときに使う。2本のたたら板を粘土の両脇におき、のし棒などで粘土を一定の厚さにのばす。
絵付用道具
○乳鉢…大きさは直径10p〜30pくらいまで各種あるが、普通絵付用としては15pぐらいが適当。
○筆…穂先の強い筆がよい。面相、ダミ筆、平筆などがある。
○釉薬用バケツ…多量に釉を溶いてなじませる。

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